日立製作所とパナソニック コネクトの2社は2023年2月27日、生体認証で協業を開始したと発表した。日立の公開型生体認証基盤「PBI」とパナソニック コネクトの顔認証技術を組み合わせたユースケースを共同で開発して実証する。最初の取り組みとして、2023年春に全国の小売店舗で顔認証を用いた「手ぶらスタンプラリー」(来店時に顔認証でポイントが貯まるキャンペーン)を実施・実証する。
日立製作所とパナソニック コネクトの2社は、生体認証で協業を開始した。日立の公開型生体認証基盤「PBI(Public Biometric Infrastructure)」と、パナソニック コネクトの顔認証技術を組み合わせたユースケースを共同で開発して実証する(図1)。
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具体的には、顔認証で得た顔の特徴を抽出し、PBIを基に顔情報を復元不能な形に変換、保管・照合するという一連の流れを開発・実装する。最初の取り組みとして、2023年春から全国規模で展開する小売店舗での「手ぶらスタンプラリー」(来店時に顔認証でポイントが貯まるキャンペーン)を実施・実証する。
PBIは、生体認証とPKI(公開鍵暗号基盤)を組み合わせて日立が開発した認証基盤技術である(関連記事:日立、手ぶらで決済できる「生体認証統合基盤サービス」、生体情報からPKIの秘密鍵を都度生成)。
PBIのメリットとして、情報が漏洩しても問題ないことと、なりすましのリスクが低いことを挙げる。「生体情報の登録時は、特徴データを一方向性変換したデータを登録し、生体情報の画像データそのものは登録しない。本人を認証する際は、生体情報を基に秘密鍵をその都度作成するため、他者によるなりすましができない」(日立)という仕組みである。
「顔認証の需要が拡大する一方で、生体情報の管理がボトルネックとなっている。顔認証の導入・活用・普及には、高い信頼性の確保が必要不可欠であり、顔画像を保存することなく顔認証が可能になる技術の1つとしてPBIが有効である」(同社)