[調査・レポート]
DXはコスト削減と業務効率化に重点、電子契約の導入が7割超─調査に見る国内企業のIT/セキュリティ方針
2023年3月17日(金)IT Leaders編集部
一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)とアイ・ティ・アール(ITR)は2023年3月16日、同年1月に共同で実施した「企業IT利活用動向調査2023」の概要を速報として発表した。国内企業1022社のIT/情報セキュリティ責任者を対象に調査した。今回の調査結果のポイントとして、電子契約の利用企業が7割を超えたことや、デジタルトランスフォーメーション(DX)はコスト削減と業務効率化に重点を置いていること、重要な経営課題に従業員の働き方改革を挙げていることなど7点をピックアップしている。
日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)とアイ・ティ・アール(ITR)は、同年1月に共同で実施した「企業IT利活用動向調査2023」の概要を速報として発表した。同調査は、ITRの独自パネルに対するWebアンケート形式で実施。従業員数2人以上の国内企業に勤務し、IT戦略策定または情報セキュリティ施策に関わる係長職相当職以上の役職者約1万7000人に回答を依頼し、1022人(1社1人)の有効回答を得た。
今回の調査結果のポイントとして、電子契約の利用企業が7割を超えたことや、デジタルトランスフォーメーション(DX)はコスト削減と業務効率化に重点を置いていること、重要な経営課題に従業員の働き方改革を挙げていることなど次の7点をピックアップしている。
- 電子契約の利用企業は前年の69.7%から73.9%に拡大。「立会人型と当事者型の両方を採用」している企業の割合が4ポイント増
- 電子契約サービス事業者の選定時、半数近くが「クラウドに関するセキュリティ認証」取得を参考
- インボイス制度の登録申請は65.6%が「提出済み」、「提出予定」を含めると88.6%に上る
- テレワークを「導入している」割合は、前年の72.7%から72.1%に微減
- デジタルトランスフォーメーション(DX)の目的は、「コスト削減」と業務効率化に重点
- 個人情報保護の取り組みは、「社員教育」が57.6%で最多
- 重視する経営課題は、「従業員の働き方改革」が2年連続で増加
電子契約の利用企業が7割を超える
(1)電子契約を「利用している」企業は、前年の69.7%から73.9%に拡大した。なかでも「立会人型と当事者型の両方を採用している」企業の割合が4.3ポイント増と最も増えた(図1)。
(2)電子契約サービス事業者の選定にあたって参考にする第三者認証サービスは「クラウドに関するセキュリティ認証」が44.6%を占め、他の認証サービスに大きく差をつけた。なお、電子契約事業者の選定時に重視するポイントとしては、「第三者認証・認定の取得」が41.5%に上り、「サービスのコスト」(48.6%)の次に高い割合となった(図2)。
(3)2023年10月から導入されるインボイス制度に対応するため、34.3%が適格請求書発行事業者として「登録申請書を提出し、すでに登録番号の通知を受けている」ことが分かった。これに「提出済みで登録処理中」(31.3%)を合わせると、65.6%が提出済みとなった。「今後提出予定」(23.0%)まで含めれば88.6%に上った(図3)。
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