[市場動向]
中小運輸事業者の事業計画作成を支援─商工中金、TDBC、SDXC、ウイングアーク1st
2023年4月13日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
商工組合中央金庫(商工中金)、一般社団法人運輸デジタルビジネス協議会(TDBC)、一般社団法人サスティナビリティ・DX推進協議会(SDXC)、ウイングアーク1stの4者は2023年4月13日、中小運輸事業者の経営課題を改善するための支援体制を構築したと発表した。事業計画の策定支援、計画実行の支援、改善ツールの提案、補助金活用支援など一連のサポート体制を構築していくことで、中小事業者の活動を支援し、「持続可能な運輸業界の実現」を目指す。
商工中金、TDBC、SDXC、ウイングアーク1stの4者は、中小運輸事業者の経営課題を改善するための支援体制を構築した。TDBCとSDXCが持つ運輸事業者に対するサポート実績、ウイングアーク1stが持つデータ活用に関するノウハウ、商工中金が持つ金融機能や全国ネットワーク、を活用する。これにより、「持続可能な運輸業界の実現」を目指す(図1)。
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中小運輸事業者に対して、商工中金の金融機能や全国ネットワーク、運輸業界向け事業計画の策定支援、計画実行支援、改善ツール提案、補助金活用支援など、業界課題解決に向けた一連のサポートを提供する。背景として運輸業界には、「物流2024年問題」(トラック運転手の時間外労働の上限が年960時間までに規制)や人手不足、燃料費の高騰といった経営課題がある。
事業計画作成などの支援にあたって運輸事業者と商工中金/SDXCが情報を共有するためのツールとして、ウイングアーク1stの中小企業支援サービス「BanSo(バンソウ)」を利用する。システムは、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの「Dr.Sum」とBIダッシュボード「MotionBoard」、多機能チャットツール「dejiren」を利用して構築している(図2)。ウイングアーク1stは同サービスについて、事業成長を伴走するシステム基盤だと説明している。
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Excelやチャットを介して簡単に自社の情報を登録
BanSoの画面は、できることを抑えてシンプルにした(画面1)。運輸事業者はまず、会社の状況を定量的に捉えるため、自社の情報をBanSoに取り込む。こうして取り込んだデータは、KPI監視画面で可視化可能である。さらに、定性的な情報として、事業計画も作成して登録する。アクションプランの実施結果を可視化し、現状のアクションを評価可能である。
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運輸事業者は、会社の情報を登録するためのExcelテンプレートをダウンロードし、財務情報や人件費などの内容を記載してアップロード登録する(画面2)。これにより、BanSoにデータが溜まっていく。
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溜まったデータの可視化も可能である(画面3)。売上とコストと利益の状況を把握できるほか、自社が同一業界の他社と比べてどうなっているのかも分かる。売上増加率、営業利益率、1人あたり営業利益、などが分かる。こうした可視化テンプレートを10個用意している。
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商工中金やSDXCの担当者とコミュニケーションをとるためのツールとして「dejiren(デジレン)」を活用する。dejirenには仮想アシスタント機能が付いており、BIダッシュボードを操作しなくても、チャットで問い合わせるだけでBIダッシュボードのレポート結果を提示してくれるなど、チャットベースで知りたい情報が得られる(関連記事:チャットボットで業務を自動化できるサービス「DEJIREN」、ウイングアーク1stが開始)。
●Next:TDBC、SDXCの活動内容と4者による支援体制の背景
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