ウイングアーク1stは2020年4月15日、システム連携をともなう業務フローをチャットボットを介して実行できるサービス「DEJIREN(デジレン)」を発表した。同日提供を開始した。人間の判断が必要な場面でチャットで担当者に判断を仰いだり、チャット画面での意思表示によって受発注処理を実行したりできる。価格(税別)は初期費用が10万円、基本ライセンスが10ユーザーで月額7000円。
ウイングアーク1stの「DEJIREN(デジレン)」は、システム連携を伴う業務フローを、チャットボットを介して実行できるサービスである(画面1)。
例えば、参照したい業績データをチャットで指定すると、DEJIRENがデータを取得してグラフ化し、チャット画面に張り付けてくれるといった使い方ができる。
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システムは大きく、APIを使って外部システムと連携する「コネクタ」、ユーザーとコミュニケーションを行う「ボット」、ノンプログラミングで業務フローを設計して実行できる「アクションフロー」で構成する。チャットボットを使うためのチャット画面は、WindowsまたはiOS(iPhone/iPad)で利用できる。
外部システムと連携するコネクタの例として、情報活用ダッシュボード「MotionBoard」のコネクタや、文書データ活用サービス「SPA」のコネクタがある。MotionBoardの接続データソースは100以上であり、接続先のデータソースを利用して分析した情報を元にグラフや地図、レポートを生成できる。一方、SPAは、紙のようなアナログデータをAI-OCRでデジタル化して保管できる。
業務フローの設計や、チャットボットの設計は、GUI画面でノンプログラミングで行える(図1)。コネクタと条件分岐、アクションのパーツを配置するだけで構築できる。外部システムのデータを活用し、チャットをユーザーインタフェースとする業務フローを、容易に実現できる。
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エンドユーザーは、用途に応じて、チャットルームに、人事処理用のチャットボットや経理処理用のチャットボット、業績データ確認用のチャットボットなど、開発済みのチャットボットを選んで参加させられる。これらのチャットボットを窓口に、様々な業務フローを実行できる。
DEJIRENの典型的な使い方の1つは、チャットを介して人の判断を仰ぐことである。業務フローを自動で実行する中で、人の判断が必要な場面が来た際に、チャットボットを使って担当者に判断を仰ぐ。担当者がチャットボットに意思表示をすることで、業務フローが再び動き出す。
また、業務実績などのデータを、チャットボットを介して入手する使い方もできる。DEJIRENは、裏でBI(ビジネスインテリジェンス)ソフトウェアに問い合わせ、取得したデータをグラフ化してチャット画面に張り付けてくれる。エンドユーザーは、BIソフトウェアを操作することなく、チャットを介して必要な情報を取得できる。
DEJIRENを使うと、受発注処理のような企業間のコミュニケーションも省力化できる(図2)。チャットを介して発注の意思を示すだけで、発注書を作成してメールを送信するといった発注処理を実行できる。また、チャットを介して受注の意思を示すだけで、発注書の印刷イメージをデータ化してシステムに登録するといった受注処理を実行できる。
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