マクニカは2023年4月21日、マシンラーニング(機械学習)の連合学習ソフトウェア「STADLE」を販売すると発表した。IoTエッジのデータを1カ所に集約せず、各エッジにデータを分散させたままの状態で学習可能な点が特徴である。
マクニカの「STADLE」は、米タイセット(TieSet)が開発した、連合学習(フェデレーションラーニング)のソフトウェアである(図1)。連合学習とは、マシンラーニング(機械学習)の方法の1つであり、データを1カ所に集約することなく、各エッジに分散した状態のまま学習・利用できるようにするす仕組みである。
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具体的には、エッジ側で動作するローカルAIモデルのパラメータだけを収集し、クラウド側に置いたAIが、これらを統合したグローバルモデルを生成し、エッジAI側に返す。生データを共有しないことから、コンピューティングリソースやネットワークリソースの圧迫や処理遅延の問題を解消する。さらに、データを共有しなくて済むため、個人情報漏洩のリスクが減り、プライバシーを保護する。
マクニカは、IoTデータをAIで分析する際の課題として、大量データを処理するためのCPUやネットワークのリソースが足りないこと、データ処理が遅延することによるリアルタイム処理の難しさ、顧客や利用者の情報を収集することによるプライバシ保護の懸念、を挙げる。連合学習は、データを集約せずに機械学習を行う分散型のAI技術であり、これらの問題を解消する。
主な活用領域としてマクニカは、医療分野、金融分野、スマートフォン分野、製造分野、ADAS(先進運転支援システム)などの自動車分野を挙げている。
マクニカは、データの活用を推進する製品・サービスとして、Splunk(データ分析)、データブリックス(レイクハウス)、TripleBlind(秘密計算)、brighter AI(匿名加工技術)などを揃えている。これらに加えて、STADLE(連合学習)を提供することにより、エッジAIの学習効率化やプライバシー保護を強化する。