[新製品・サービス]
キヤノンMJ、個人情報をブラウザ側で上書き可能なパーソナライズド動画配信サービス
2023年5月1日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は2023年5月1日、パーソナライズド動画サービスを発表した。個々の顧客ごとに別々の動画を用意することなく、単一の動画を配信しつつ、Webブラウザ上で個人情報をオーバーレイ表示する仕組み。要素技術として、livepass(本社:東京都港区)のソフトウェアを使っている。第1号ユーザーとして、明治安田生命保険が導入した。保険加入者専用Webサイトで提供している健康維持・改善支援コンテンツ「MY健活レポート」を解説する動画に同技術を適用した。
キヤノンMJは、個人に合わせてパーソナライズした動画を配信可能なクラウドサービスを開始した。最大の特徴は、個々の顧客ごとに別々の動画を生成して配信するのではなく、単一の動画を配信しつつ、Webブラウザ上で個人情報をオーバーレイ表示する仕組みを採用したことである(図1)。動画の製作コストを抑えられる。
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MP4などの動画ファイルをURLで指定してダウンロード視聴するという一般的な動画配信のやり方を踏襲しながら、Webブラウザ上で動作する専用の動画再生プレーヤが動画に苗字などの個人情報を上書きする形で表示する。合成音声による個人名の読み上げなども可能である。
動画再生プレーヤは、データ入力画面やボタンを押す機能なども提供する。例えば、保険商品について説明する動画の途中で、年齢、貯蓄額、給料、生活費といった情報を入力してもらい、入力値をもとに、推奨する保険商品のプランを提示する、といった使い方が可能である。押したボタンによってストーリを出し分けるといった制御も可能である。視聴ログも取れる。
キヤノンMJによると、これまでの動画配信には課題があった。「視聴者は、自分とは関係ないと思った情報には反応しにくい。視聴者が動画をどの程度理解してくれたのか分からない。視聴のログがないので、最後まで観てるのかどうかも分からない」(キヤノンMJ)。これらを解決するサービスとして今回、パーソナライズド動画サービスを用意した。
パーソナライズド動画サービスの価格(税別)は、個別見積もりで、以下の通り。初期費用(動画制作費用、動画のパーソナライズ、プログラミング作業費用)は、300万円から。月額利用料は、37万5000円から(月間再生回数1000回まで)。
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