オービックビジネスコンサルタント(OBC)は2023年5月22日、クラウド型会計ソフトウェア「勘定奉行クラウド」を機能強化し、インボイス制度・電子帳簿保存法に対応させたと発表した。同年5月26日から提供する。価格(税別)は、中小企業向けの基本機能「Aシステム」の場合、初期費用が5万円、利用料が1ユーザーあたり年額23万4000円。
オービックビジネスコンサルタント(OBC)の「勘定奉行クラウド」は、クラウド型の会計ソフトウェアである。日次業務(仕訳入力や日次残高チェックなど)、月次業務(予算管理や月次残高チェックなど)、年次・決算業務(財務諸表や電子申告など)といった機能群を網羅する。
拡大画像表示
今回、機能を強化し、インボイス制度・電帳法対応に必要な業務を、会計システム1つで完結できるようにした。適格請求書の発行と受領、証憑の電子保存などが可能になった(図1)。
特徴の1つは、インボイス制度・電帳法が求める要件をカバーするだけでなく、施行後の業務をスムーズに行うための機能を備えること。具体的には、保管や仕訳の前後に発生する業務として、誰が受領した証憑でも、提出から承認、仕訳、保管までの一連の流れをペーパーレスで完結できるようにした。
「証憑にタイムスタンプを付与して保管するだけの対応では、従業員が受領した証憑はどうするか、紙で行っていた承認などの業務はどうするかといった運用上の課題が残ってしまう」(OBC)
特徴の2つめは、金融機関とのデータ連携やAIによるアシスト機能を備えること。これにより、ミスや非効率を削減する。「経理業務においては、ほとんどの仕訳が手入力で起票されており、ミスやミスを見つけるためのチェック業務の発生につながっている」(同社)。
これに対して、勘定奉行クラウドでは、取引データを自動で仕訳することで、手入力や転記作業をはじめとした、人の判断を必要としない手作業を削減する。これにより、業務時間や人為的なミスを減らし、業務がより速く、正確に完結する状態を実現するとしている。
特徴の3つめとして同社は、インストール型の会計システムと同等の会計業務ができるだけでなく、集計やチェック業務などの品質に強みがあるとアピールする。「インストール型の会計システムからクラウドサービスへの切り替えによって機能不足や操作性に問題が生じるケースもある。勘定奉行クラウドでは、インストール型と同等の機能を持つだけでなく、より速く正確に業務を行うための機能が備わっている」(同社)。