[事例ニュース]
三井住友ファイナンス&リース、社内の問い合わせ対応をチャットボットで省力化、10カ月で3万件超に応答
2023年6月14日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
三井住友ファイナンス&リース(SMFL、本社:東京都千代田区)は、社内からの問い合わせに対応する業務の省力化を目的に、AIチャットボットを全社に導入した。米Allganize(オルガナイズ)のチャットボット「Alli」を2023年1月末時点で18部署が導入、バックオフィスに限らず、コールセンターや営業部店など各部署で活用している。2022年度は10カ月で3万件を超える社内からの問い合わせに自動で応答したという。日本法人のAllganize Japanが2023年6月14日に発表した。
三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は、社内からの問い合わせに対応する業務を省力化することを目的に、AIチャットボットを全社に導入した。米Allganizeのチャットボット「Alli」を2023年1月末時点で18部署が導入、バックオフィスに限らず、コールセンターや営業部店など各部署で活用している2022年度は10カ月で3万件を超える社内からの問い合わせに自動で応答したという。
同社においてチャットボットの利用件数が最も多いのは小口リースのヘルプデスクで、10カ月で1万件以上の問い合わせに応答した。「顧客とは複写式の書類でリース契約を行っており、手書きで記入するため、記入漏れや不備が多い。書類に不備があった場合、以前は営業担当者が担当部署に都度電話で対処方法を確認していた」(同社)。
チャットボット導入後は、対処方法をチャットボットがただちに応答する。また、コロナ禍で問い合わせが増えていたが、これもチャットボットで解消した。出社制限を行っていた期間は、簡単なことも隣の人に聞くことができず、各業務の担当部署に問い合わせが集中していた。チャットボットが自動で応答することで、問い合わせ対応に費やす時間が大幅に減った。回答の精度も高く、利用者側もすぐに疑問を解消できるようになったという。
同社は、2018年からチャットボットを試験的に運用していたが、今回、それをリプレースする形でAlliを導入した。これまでの試験運用で顕在化した、回答精度、環境構築や導入前の事前設定、コストなどの課題を解決すべく、チャットボットの全社展開を機にリプレースしたという。
「Alliへの刷新で、チャットボットの活用部署が増加し、全社的な業務効率化へとつながった。従来のチャットボットは事前設定が難しく、活用する部署が限られていたが、Alliは特別な知識が不要で誰でも簡単に設定可能であることから、活用部署が大幅に増えた」(同社)
例えば、新たな部署でチャットボットを導入する場合、以前は準備期間として2~3カ月を要していたが、Alliに変更したことで、準備開始から1カ月程度、慣れている人であれば最短1週間で始められるようになったという。