長崎自動車(通称:長崎バス、本社:長崎県長崎市)は、顧客サービスの向上を目的にAIチャットボットを導入した。ワークスアプリケーションズの「HUEチャットボット」で構築し、同社ホームページに設置している。バス利用者からの忘れ物や乗り換え、定期券購入などに関する「よくある質問」に対して迅速に回答し、サービスの向上を図る。ワークスアプリケーションズが2023年9月13日に発表した。
長崎自動車(通称:長崎バス)は長崎市を中心に路線バスを運行している。顧客サービスの向上を目的にAIチャットボットの導入を検討し、2023年3月にワークスアプリケーションズの「HUEチャットボット」で構築したサービスの試験運用を実施した。こうしたITツールの導入にあたっては、バスの利用者が幅広く、かつ高齢者が多いことが課題だったが、試験運用の結果、チャットボットの利用数が一定見込めると判断した。
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同社ホームページ上に「コロタ」の愛称でチャットボットを設置した。「コロタに質問する」からチャット画面を開き、バス利用について分からないことを入力する。「路線バスの時刻・運賃検索」「目的地入力による路線・時刻検索」「定期券」「バス車内の忘れもの」の4つのカテゴリを選んで質問に答えていくか、自由に質問を入力することで回答にたどり着く。
合わせて、ホームページとバス検索サービスのリニューアルに取り組んでいる。AIチャットボットとの相乗効果によって顧客サービスの品質向上を図っていくとしている。
「バス事業者の経営環境が悪化しており、国土交通省が事業者のデジタル化による経営の効率化や感染症対策の支援に取り組んでいる。チャットボットによりバス事業者のデジタル化を支援する」(ワークスアプリケーションズ)
なお、HUEチャットボットは、日本語の認識精度の高さをうたうAIチャットボットである。登録語彙290万語(2023年1月現在)の自然言語処理辞書「SudachiDict」を備え、日本語特有の表記ゆれを判断し、あいまいな問いにも回答する。管理画面から、業界用語や専門用語などの固有の言葉を登録できる(関連記事:「HUEチャットボット」がChatGPTと連携、FAQで用意されない質問にも回答)。
登録済みのFAQだけでなく、アップロードした文書を検索して回答部分を提示する「ドキュメント検索オプション」を備える。社内規程や各種マニュアルなどのファイルをアップロードすると、AIがそれを参照して回答。FAQを用意する作業自体がなくなる。
また、ChatGPTと連携して、マニュアルや社内規程など関連文書のデータを下に自然な文章のFAQを作成可能である。FAQにない一般的な質問に対しても、膨大な情報の中から最適な答えを生成して回答する。