[市場動向]
BIPROGY、金融機関窓口の顧客対応を生成AIで支援する検証、期待どおりと評価
2023年10月17日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)
BIPROGYは2023年10月17日、金融機関の営業窓口における職員の対顧客コミュニケーションを生成AIで支援する技術の検証結果と発表した。顧客ごとの取引状況や必要なヒアリング事項、商品提案例を提示するアプリケーションをサンプルデータを使って検証した。その結果、おおむね期待どおりの結果が得られると評価した。今後は、金融機関の協力を得ながら実証実験を進めていく。
BIPROGYは、金融機関の営業窓口における職員の対顧客コミュニケーションを、生成AIで支援する技術の検証結果を発表した。
経験の浅い窓口職員をターゲットユーザーにしている。「金融機関の営業店において、窓口職員のコミュニケーション能力が重要になっている。手続きの多くがセルフサービス化され、相談対応スキルが求められるローカウンター業務に人員リソースが移っているが、相談対応ノウハウは一部のベテラン職員に属人化し、ノウハウの継承や標準化が進んでいない」(同社)ことに対処する。
顧客の口座番号・氏名と来店目的などを入力すると、取引状況や必要なヒアリング事項、商品提案例を提示するアプリケーションを構築し、検証を行った(画面1、2)。
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検証では、BIPROGYが作成したサンプルデータを生成AIサービス「Azure OpenAI Service」の入力情報に用いた。生成AIの出力結果と、事前に定義した期待値を比較し、実用度を評価した。
- 顧客属性情報:性別、年齢
- 顧客との会話内容:過去の会話内容(交渉履歴)、当日の会話/ヒアリング内容
- 取引情報:口座残高、入出金明細、各種商材の契約有無
表1は、技術検証の検証項目と結果である。BIPROGYは、おおむね期待どおりの結果であり、各機能の実現が可能であると評価した。
機能 | 出力情報 | 評価結果 |
---|---|---|
顧客情報のサマライズ | 取引状況の要約、インサイト提示 | 〇 |
顧客情報のサマライズ | 過去の交渉履歴の要約 | ◎ |
ヒアリング項目の提案 | ヒアリングすべき事項の推奨 | 〇 |
商材/サービスの提案 | 提案すべき金融商品の推奨 | ◎ |