[調査・レポート]

国内企業の1割が生成AIを活用中、2割が活用を検討─矢野経済研究所

コスト削減目的から始めてノウハウを蓄積し、利益創出に移行へ

2023年12月6日(水)IT Leaders編集部

矢野経済研究所は2023年12月5日、生成AIの利用実態についてのアンケート調査結果を発表した。約1割の企業がすでに生成AIを活用中である。約2割の企業が将来的な活用を検討しており、今後も活用する企業は増加していくと見ている。

 矢野経済研究所は、生成AIの利用実態についてアンケート調査を実施した。調査期間は2023年6月~8月で、調査対象は国内民間企業(プロセス製造業、加工組立製造業、サービス業、流通業、金融業)538社である。

図1:企業の生成AI活用状況(単数回答)(出典:矢野経済研究所)
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 調査の結果、生成AIを「全社的に活用している」が1.3%、「一部の部署で活用している」が8.6%で、合わせて約1割が生成AIを活用中と回答した。また、20.8%は「現在は活用していないが、将来的に活用したいと考えている」と回答し、活用企業が今後も増えることを示唆している(図1)。

 一方、3.2%の企業は「活用を禁止している」と回答。矢野経済研究所は、「登場して間もない技術であり、活用方法が曖昧なだけでなく、情報漏洩などセキュリティについても理解が浸透していない。こうした部分に懸念を抱く企業が一定程度存在する。活用が進むことで理解が進み、ガイドラインの整備が行われていけば、これらの企業も活用を検討していく可能性はある」と見ている。

 「生成AIの取り組みについて、まず利用してみることには価値があるが、企業が活用する以上、利益に結び付けなければ継続して利用する価値は失われてしまう。一方、具体的な活用方法をイメージしている企業も存在する。ベンダー各社は、具体的な活用イメージを持つ企業と積極的に実証実験を行っている」(同社)

 矢野経済研究所は生成AIについて、現在、業務効率化などのコスト削減を目的とした利用が進む中で、元来コスト削減だけでなく、新しいイノベーション(革新的な活用方法や事例)の創出にも活用可能な技術であると指摘する。

 「しかしながら、利益創出の活用方法はコスト削減を目的とした導入よりも活用範囲が広く、具体化することが難しい。まずはコスト削減を目的とした活用でノウハウを蓄積し、利益創出に移行していく流れになる」(同社)

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