[調査・レポート]

生成AIを業務で使う従業員、世界15カ国/地域平均が43%、日本は16%で最低─BCG調査

2024年6月28日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

米ボストン・コンサルティング・グループ(Boston Consulting Group:BCG)は2024年6月26日(米国現地時間)、職場におけるAI活用に関するグローバル意識調査「AI at Work 2024:Friend and Foe」の結果を発表した。同調査によると、生成AIを業務で使う従業員は世界15カ国/地域平均が43%で、日本は16%で最低という結果になった。

 米ボストン・コンサルティング・グループ(Boston Consulting Group:BCG)は、職場におけるAI活用に関するグローバル意識調査「AI at Work 2024:Friend and Foe」の結果を発表した。調査は2023年に続き2回目で、日本を含む世界15カ国・地域において、経営幹部から従業員までを含む1万3000人以上を対象に実施した。

図1:AIが仕事に与える影響に対する意識(出典:ボストン・コンサルティング・グループ)
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 「AIが仕事に与える影響」について働き手の意識を尋ねたところ、「(効用を)確信している」と回答した従業員の割合は42%と、2023年の26%から増加している。一方、「不安を感じている」の割合も前回から5%ポイント増加した(図1)。

 AIや生成AIの進化によって今後10年で自分の仕事がなくなるかもしれないと考えている従業員の割合は、AIや生成AIを日常的に使用している従業員(少なくとも週に1回使用する)で49%。一方、まったく使用していない従業員で24%だった。

 「生成AIツールを日常的に使用している」と回答した従業員は52%で、昨年(20%)の2倍以上になった。うち43%は業務にも使用している(図2)。

図2:生成AIを日常的に活用する従業員の割合(出典:ボストン・コンサルティング・グループ)
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 調査結果を地域で見ると、ブラジル、インド、ナイジェリア、南アフリカ、中東諸国といったグローバルサウスの国々の回答者が、生成AI活用の効果をより確信しているようだ。日本は「確信している」割合が調査対象国中最も低く(27%、世界平均42%)、「不安を感じている」割合は最も高かった(28%、世界平均17%)(図3)。

図3:AIが仕事に与える影響に対する意識の各国比較(出典:ボストン・コンサルティング・グループ)
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 業務での使用率についても同様の傾向がある。グローバルサウスの国々は、経営層から従業員に至るまで、生成AIを日常的に使用する従業員の割合がグローバルノースの国々より高い。日本ではこの割合が経営層では76%と概ね高いものの、管理職で31%、従業員で16%と調査対象の中で最低だった(従業員の世界平均は43%)。

 生成AIを業務に使っている回答者の58%は、生成AIツールを使うことで週に少なくとも5時間を節約できていると回答している。節約した時間は、「より多くの業務をこなす」(41%)、「新規の仕事に着手する」(39%)、「生成AIの利用法を探る実験をする」(38%)、「戦略的な仕事に取り組む」(28%)といったことに充てられている。

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