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インサイトテクノロジー、データ匿名化ツールのSaaS版「Insight Masking SaaS Edition」

2024年7月17日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

インサイトテクノロジーは2024年7月16日、SaaS型のデータ匿名化ツール「Insight Masking SaaS Edition」を提供開始した。個人情報などを含む本番データをマスキング(匿名化)してテスト/分析用データを生成するツールである。ソフトウェア製品「Insight Masking(旧名称:Insight Data Masking)」のSaaS版にあたる。

 インサイトテクノロジーの「Insight Masking」(旧名称:Insight Data Masking)は、個人情報などを含む本番データをマスキング(匿名化)してテスト/分析用データを生成するソフトウェアである(関連記事インサイトテクノロジー、データ匿名化ツール「Insight Data Masking」のSaaS版を発表)。

 データに含まれる住所、電話番号、名前、クレジットカード番号などを識別・検出してマスキングする。データのユニーク性や参照整合性(論理的特性)と、データの種類や分布(統計的特性)を維持したまま変換する。これにより、本番データと同等に使えるマスキングデータが得られる。

 以下のデータマスキング方法を用意している。

  1. データベース(Oracle Database、PostgreSQL、MySQL)に接続して、これらのデータを直接マスキング
  2. マスク対象データを渡してマスク後のデータを取得するWeb API
  3. データ複製ツール「Qlik Replicate」のアドオンプログラムとしてデータ複製時にマスキング

 今回、SaaS版の「SaaS Edition」を用意した。これまで提供してきたオンプレミス版は、環境構築のためにセキュリティ要件や監視要件などを調整する必要があることから、導入までに相応の期間がかかる。一方、SaaS版は、契約後、短期間でクラウド上の固有環境で利用を始められる。

 1クリックで匿名化作業を完結できる操作性から、IT部門にデータの加工やシステム運用を依頼することなく、データを分析する業務部門のみで利用可能である。また、特定部署や特定業務に絞って導入するなどのスモールスタートが可能である。小さなスコープで有用性を確認したあとで導入範囲を広げるなどの運用ができる。

 セキュリティにも注力している。例えば、WebAPIを使ってデータを匿名化する場合、データをSaaS側に保存することなく匿名化処理だけを行う。また、出力した匿名化データも顧客ごとに厳重に管理する。SaaSへのアクセスも、接続元のIPアドレスで制御する。これらにより、データのアップロードから匿名化処理を経て保存するまでの全過程で、個人情報を安全に取り扱えるとしている。

 オンプレミス版で備えていたOfficeアドイン機能は、SaaS版でも利用可能である。Officeの画面上で文書を編集するのと同じ感覚で、Officeアプリケーションのリボンインタフェースからマスキングを設定・実施できる。PDFファイル上の個人情報を墨消しする機能(評価版)も追加した(画面1)。

画面1:「Insight Masking SaaS Edition」で新たに追加した、PDFに含まれる個人情報を墨消しする機能(出典:インサイトテクノロジー)
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インサイトテクノロジー / 匿名加工 / 開発テスト / マスキング / SaaS

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