インサイトテクノロジーは2024年2月20日、データ匿名化ツール「Insight Data Masking」のSaaS版を発表した。正式版を2024年6月以降に提供開始する。個人情報などを含む本番データをマスキング(匿名化)してテスト/分析用データを生成するツールである。SaaS版は契約後、短期間でクラウド上の固有環境を使って利用を始められる。同日、5社限定のアーリーアクセスプログラムの提供を開始した。
インサイトテクノロジーの「Insight Data Masking」は、個人情報などを含む本番データをマスキング(匿名化)してテスト/分析用データを生成するソフトウェアである(関連記事:データ匿名化ツール新版「Insight Data Masking 3.4」、メインフレームの固定長データをマスク可能に)。
データに含まれる住所、電話番号、名前、クレジットカード番号などを識別・検出してマスキングする。データのユニーク性や参照整合性(論理的特性)と、データの種類や分布(統計的特性)を維持したまま変換する。これにより、本番データと同等に使えるマスキングデータが得られる。以下のデータマスキング方法を用意している。
- データベース(Oracle Database、PostgreSQL、MySQL)に接続して、これらのデータを直接マスキング
- マスク対象データを渡してマスク後のデータを取得するWeb API
- データ複製ツール「Qlik Replicate」のアドオンプログラムとしてデータ複製時にマスキング
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2024年6月以降に、Insight Data MaskingのSaaS版(正式版)を提供する。オンプレミス版は、環境構築のためにセキュリティ要件や監視要件などを調整する必要があり、導入までに相応の期間がかかる。SaaS版はクラウドの特性を生かして、契約後、短期間でクラウド上の固有環境で利用を始められる(画面1)。
1クリックで匿名化作業を完結できる操作性から、IT部門にデータの加工やシステム運用を依頼することなく、データを分析する業務部門のみで利用可能である。オンプレミス版のOfficeアドイン機能はSaaS版でも利用可能で、Officeアプリケーションのリボンインタフェースからマスキングを設定・実施できる。また、正式版ではPDFファイル上の個人情報を墨消しする機能を追加する予定である。