豊田自動織機 トヨタL&Fカンパニー(本社: 愛知県高浜市)は2024年7月23日、フォークリフト安全運転評価システム「運転動画AI解析」を発表した。フォークリフトやオペレーターの動きをAIがクラウド上で解析し、安全運転を評価する。トヨタL&Fの物流ノウハウと富士通のAIサービスを組み合わせて開発した。
愛知県高浜市に本社を置き、フォークリフトを製造・販売する豊田自動織機 トヨタL&Fカンパニー。L&Fは、Logistics(物流)とForkliftの頭文字を取ったもので、トヨタグループの産業車両ブランドとして事業を展開している。
同社が発表した「運転動画AI解析」は、フォークリフトやオペレーターの動きをAIがクラウド上で解析して安全運転を評価するシステムである。トヨタL&Fの物流ノウハウと、富士通のAIサービスを組み合わせて開発した。
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AIにより、安全運転に対する評価のばらつきを平準化する。具体的には、フォークリフトの旋回・走行やフォークの動き、オペレーターの安全確認動作などを学習したAIが、ドライブレコーダー映像をクラウド上で解析し、オペレーターの不安全な操作のうち、「走行荷役同時操作」「後進時指差し確認不良」、「前後進切替時一時停止不良」「急旋回」を自動で検出する(画面1)。
不安全な操作を検出した場合、当該部分のみを抽出して閲覧できる。また、各オペレーターの安全運転の状況を成績表として表示する。これらの機能により、映像確認時間を減らし、オペレーターの安全意識の向上を促す(画面2)。
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「フォークリフトは、工場や物流倉庫など人・物が行き交う場所で使うケースが多く、オペレーターには安全運転が求められる。近年は安全教育の一環としてフォークリフト用ドライブレコーダーをオペレーターの安全運転評価に活用する企業が増えているが、記録映像の確認にかかる時間や評価のばらつきが課題になっている」(トヨタL&F)
トヨタL&Fは、フォークリフトメーカーとしての製品開発・販売のみならず、物流・運輸の領域でデータの高度活用にも注力している。2021年には、物流現場の機器から稼働状況・使用状態などのデータをクラウドで収集・分析して現場の改善を支援するサービス群「FORKLORE」をリリースしている。
FORKLOREのサービスラインアップとして、ドライブレコーダーのデータを基にフォークリフトの稼働状況・記録映像をオンラインで確認できる「ドラレコConnect」、フォークリフト用リチウムイオンバッテリーの使用状況を可視化する「バッテリーConnect」を提供している。
富士通は、PaaS型のデータ活用基盤「Fujitsu Data Intelligence PaaS」において、AIサービス「Fujitsu Kozuchi」を提供している。今回開発した運転動画AI解析は、Kozuchiに備わる人間・物体の画像解析技術を用いて、オペレーターの動きやフォークリフトの周囲の状況を分析し、安全運転の度合いを評価している。