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NEC、顔認証クラウドサービス「NeoFace」新版、管理ポータルとの通信回数を減らして認証を高速化

2024年8月30日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NECは2024年8月30日、顔認証セキュリティクラウドサービス新版「NeoFace Monitor クラウド版 R1.5」を同年10月中旬から販売すると発表した。顔認証によるPCのログオンやロック解除などの機能を提供する。新版では、管理ポータルとの通信回数を減らして認証を高速化している。価格(税別)は1ユーザー月額300円から。

 NECの「NeoFace Monitor」は、PCのログオンなどに利用する顔認証セキュリティソフトウェアである。Windows OSやアプリケーションへのログオン時、ID/パスワードに代わる認証手段として、PCの内蔵/外付けカメラを用いた顔認証が可能になる。ログオンからログオフまでのセキュリティを確保する(関連記事NEC、顔認証ソフト新版「NeoFace Monitor V7.1」でVMware/Citrixの両VDIへのログオンに対応)。

 2021年8月からクラウドサービス版を提供している。顔情報などをクラウド上で管理するため、認証処理用のサーバーの購入・構築・運用が不要である。NECの提供開始当初の試算によると、クライアント数100人で5年間運用した場合、パッケージ版(サーバーの購入・保守費用を含む)と比べてコストを約54%削減すできるという(パッケージ版は398万5600円、クラウド版は180万円)。

図1:認証時の通信回数を減らして高速化した(出典:NEC)

 クラウド版をバージョンアップして2024年10月中旬から販売する。新版では、ネットワークの通信回数を減らして顔認証の速度を改善している(図1)。これまで顔情報、アカウント、認証設定などの情報をクライアントPCと管理ポータル間で個々に通信していたのを、新版ではまとめて通信するようにした。これとデータキャッシュの改善により、ログオン/ロック解除時の通信実行回数を従来の30%以下に減らす。

 データキャッシュについては、クライアントPCの認証キャッシュに顔情報が存在する場合は、管理ポータルと通信可能な状況でもキャッシュ認証を優先する方式をとる。管理ポータルと通信せずにキャッシュ情報から認証可能で、ネットワーク環境に依存せずに高速に認証を行えるという(図2)。

図2:認証キャッシュヒット時に通信を行わずに済むようにした(出典:NEC)

 運用管理面では、Active Directory(AD)と連携し、アカウント情報を自動で登録できるようにした。利用者名やドメイン名などの情報(顔情報とパスワードが別途登録が必要)も自動で登録することから、管理者の作業が減る。ADで管理しているアカウント情報に変更が生じた場合は、変更の差分を検知し、NeoFace Monitorの管理サーバーに反映する(図3)。

図3:Active Directoryとデータ連携してアカウント情報を自動登録できるようにした(出典:NEC)

 また、新版ではNeoFace Monitorの利用者パスワードからのOSログオンが可能になった。顔認証でログオンできなかった際の代替認証や2要素認証の手段として利用できる。Windowsパスワードを利用者に開示せずに運用できることから、Windowsパスワードの流出防止につながる。

 関連して、顔画像データを管理ポータルに保存しない運用に対応する。顔画像登録時に生成する顔の特徴量(顔画像を不可逆なデータに置き換えたもの)を利用して認証する仕組みである。

 このほか、プレゼンなどでPCから顔の位置が外れることがあるシーンに配慮した「常時認証の一時停止機能」などが加わっている。

 価格(税別)は月額換算で1ユーザー300円から。初回購入時は最低12カ月分かつ10ユーザー以上の利用権が必要である。

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