セールスフォース・ジャパンは2025年1月7日、グローバル調査レポート「製造業界のトレンド」の日本語版を公開した。製造業界の意思決定者のうち日本を含むグローバルの830人から得た回答と洞察をまとめている。同レポートでは、日本の製造業のうち34%が「2020年代初めに発生したサプライチェーンの分断が未だに続いている」と回答している。
セールスフォース・ジャパンは、グローバル調査レポート「Report: 85% of Manufacturers Say They Must Modernize to Remain Competitive」の日本語版「製造業界のトレンド」を公開した。2024年10月に米国で公開したレポートを日本向けに内容を加筆・再編集したもので、製造業界の意思決定者830人から得た回答・洞察をまとめている。2024年5月30日~6月25日の期間で、北米、中南米、アジア太平洋、ヨーロッパの13カ国で調査している。
同レポートでは、日本の製造業のうち34%が「2020年代初めに発生したサプライチェーンの分断が未だに続いている」と回答している。また、回答者の80%は、サプライチェーンの最新化を進めたものの、「将来起こり得るサプライチェーンの混乱リスクを低減するうえで、非常に効果的だった」との回答は38%にとどまった。
調査を通じて、データ連携の不足が明らかになった。日本の製造業のうち69%は、収益源を追求する中で、サービスやアフターマーケット業務の大幅な変更または全面的な改革を行っている。一方、これらのサービスに必要な顧客データ、IoTデータ、テレメトリデータなどが低品質だったり、アクセスが限られていたりする状況が判明している。回答者の69%は、「IoTデバイスやその他の監視ツールから得られるデータが、アクセス可能な単一の場所に集約されていない」と答えている。
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製造業においてAIの導入が本格化している。日本の製造業で、AIを「すでに自社の業務に完全に導入している」との回答は20%、「試験的に使用または導入の進行中」は47%だった(図1)。ただし、いくつかの課題がAI導入の妨げとなっており、日本の場合、「既存システムとの連携の難しさ」が最大の懸念事項に挙がった。