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[調査・レポート]

国内データセンターにおけるAIサーバーの電力容量は4年後には3.2倍に─IDC

大規模DCでは液冷システム設備が必要に

2025年2月28日(金)IT Leaders編集部

IDC Japanは2025年2月27日、国内データセンター内のAIサーバーが必要とする電力容量の試算結果を発表した。2024年末時点で合計67MW(メガワット)で、2024年からの4年間で約3.2倍に増大し、2028年末には212MWに達すると予測。この値は首都圏や関西に相次いで建設されているハイパースケールデータセンターの5~8棟分に相当するという。

 IDC Japanは、国内データセンター内のAIサーバーが必要とする電力容量の試算結果を発表した。2024年末時点で合計67MW(メガワット)で、2024年からの4年間で約3.2倍に増大し、2028年末には212MWに達すると予測している。

 212MWという値は、首都圏や関西に相次いで建設されているハイパースケールデータセンターの5~8棟分に相当するという。なお、この電力容量はサーバーが必要とする電力を指しており、ネットワーク機器や冷却システムなどが必要とする電力は含まない。

図1:国内データセンター内のAIサーバー向け電力容量の推定結果(出典:IDC Japan)
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 IDCは2024年1月に、同様の電力容量試算を行ったが、今回は、前回の値(2027年に80~90MW)を大幅に上方修正する結果になった。「国内市場向けのAIサーバー出荷金額予測が大幅に引き上げられたため」としている。

 「ハイパースケーラーによるAIサーバーの設置の急拡大に加え、政府の補助金プログラムによるAIサーバー調達が国内のサービスプロバイダーや研究機関などで加速している。特に、ハイパースケーラーによるAIインフラ投資の規模は大きく、今回算出した電力容量の大部分をハイパースケールデータセンターが占めている」(IDC)

 AIサーバーは1台あたりの消費電力や発熱量が大きい。IDCによると、大量に設置するデータセンターでは、従来の空冷方式ではなく、液冷方式の設備が必要になっているという。

 「2028年末時点の212MWの電力容量すべてを液冷方式で冷却すべきであるという見解が得られた。液冷方式の導入にはまだ検討すべき点が多いため、データセンター事業者やITインフラベンダーが協力して、技術的な課題を解決していく必要がある」(同社Software & Services リサーチマネージャーの伊藤未明氏)

 今回の発表は、同社のレポート「国内データセンター市場におけるAIワークロードの影響:最新推定モデルによる電力需要と冷却要件の分析」に基づく。同レポートは、サーバーの設置場所別(パブリッククラウド、プライベートAI、企業内データセンター)に細分化した推定結果を掲載している。

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