米Dynatrace日本法人は2025年6月17日、オブザーバビリティ/APM/システム監視ツール「Dynatrace」に、AIを用いたログ分析機能を追加したと発表した。システム/アプリケーションが出力するログに、自然言語で質問して運用効率向上につながる分析が行える。
米Dynatraceの「Dynatrace」(画面1)は、システム監視/アプリケーション性能監視(APM)ツールである。クラウドサービスなどインフラの稼働状況監視から、アプリケーション性能のボトルネック解析、ログ収集・分析などにより、IT環境の運用最適化を図るオブザーバビリティ(可観測性)を提供する(関連記事:「技術/ビジネスの両方にオブザーバビリティが必要だ」、AI駆動のプラットフォームでAIOpsを支援─Dynatrace)。

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今回、生成AIを活用したログ分析機能を追加した。従来は専門知識が必要だったログデータの解析が、自然言語による質問から行える。また、ログをメトリクスやビジネスイベントに変換することで、ダッシュボードや分析ツールを用いてリアルタイムに可視化する。業務部門の担当者が特別なトレーニングを受けることなくログを分析できるとしている。
「国内でもクラウドへの移行やコンテナ技術の普及によって、ログデータ管理への需要が年々高まっている。J-SOX(内部統制報告制度)や改正個人情報保護法といった規制対応の観点からも多くの組織がログ管理体制の強化に取り組んでいる」(Dynatrace)という状況の中で、AIログ分析機能を提供する。
過去1年間で新規にDynatraceを契約したユーザーの半数以上がログを利用しているという。同社は、システム監視/APMツールと組み合わせて運用する単体のログ管理・分析ツールの効率の悪さを指摘し、Dynatraceにログ分析機能が備わったことで、迅速なインシデントレスポンスやセキュリティリスクの軽減が図れるとアピールしている。