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AIが商品陳列や発注数の最適解を提案、売上拡大へ─ローソンがフィリピンの店舗で検証

2025年10月28日(火)IT Leaders編集部、日川 佳三

ローソン(本社:東京都品川区)は2025年10月28日、フィリピンの一部店舗で実施中の、AIを活用して売上増大を図る検証について発表した。同年9月3日から、販売実績と在庫を分析して商品の陳列計画や発注数を推奨したり、防犯カメラ映像を使った商品陳列やレジ混雑の可視化といった施策を行っている。一連のシステム構築をKDDIが担当している。

 ローソンは現在、フィリピン、タイ、インドネシア、ハワイ、中国で、コンビニエンスストア7703店舗(2025年9月末時点)を展開しており、2030年度までに海外店舗数を約1万4000店舗に拡大することを目指している。フィリピンに進出したのは2015年で、同国内に221店舗を構える(写真1)。

写真1:ローソンがフィリピンで展開している店舗の例(出典:ローソン)

 2025年9月3日より、フィリピンの一部店舗において、AIを活用して売上増大を図る検証を行っている。販売実績・在庫を分析して商品の陳列計画や発注数を推奨したり、防犯カメラ映像から商品の陳列状況やレジの混雑状況を可視化したりといった施策で売上げにつながる効果を検証する。

商品陳列計画の提案
 AIが立地条件などが同じ店舗の販売実績や購買傾向を分析し、店舗の立地条件に適した品揃えを推奨する。「都市開発が進む東南アジアでは、店舗オープン後も、住宅街からオフィス街への転換など周辺エリアの特性が変化しやすい」(ローソン)ことから、環境変化に迅速・柔軟な対応がとれるように、9月3日からこの施策を試みている。

商品発注数の提案
 AIが店舗ごとの販売実績や在庫などを分析し、店舗ごとの販売力に応じた商品発注数を推奨する。発注作業時間を短縮すると共に、過剰在庫や廃棄ロスの問題も解消する。在庫管理時間も短縮できるという。9月5日より実施している。

商品陳列やレジ混雑の可視化
 店舗の防犯カメラ映像をAIが分析し、商品の陳列やレジの混雑の状況を可視化する。異常を検知した映像のみを抽出することで、スタッフが映像を確認する時間を抑える。9月10日より実施している。

 一連のシステム構築をKDDIが担当している。KDDIは今回の検証結果を踏まえ、各国の市場特性に合わせてシステムをカスタマイズする計画である。

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