ソフトバンクは2025年12月11日、AIエージェント管理・実行プラットフォーム「AGENTIC STAR」を提供開始した。自律的に業務を遂行するAIエージェントを管理・実行するプラットフォームをSaaSとして利用できる。多岐にわたるタスクを実行できるように、AIエージェントが自律的に使う80種類以上のツールを用意している。
ソフトバンクの「AGENTIC STAR」は、AIエージェントの管理・実行プラットフォームである。SaaSで提供し、ユーザーはWebブラウザからのGUI操作やコマンドライン操作によってAIエージェントを実行できる（図1）。
図1：AIエージェントをSaaS型で利用できるサービス「AGENTIC STAR」の概要（出典：ソフトバンク）拡大画像表示
多岐にわたるタスクを実行できるように、AIエージェントが実行可能な80種類以上のツールを用意。Web検索、文書・表計算・プレゼン資料・画像・動画の作成、アプリケーション開発などを実行させることができる。ソフトバンクでは、AGENTIC STARを営業や開発をはじめとする一部業務で先行導入し、500人超の社員が日々活用している。
AIエージェントが、ユーザーの指示や背景の意図を解釈し、達成すべき業務ゴールを自動で設定し、必要なタスクを自律的に進める。例えば、検索エンジンでインターネット上の業界動向を収集・要約・分析し、結果をプレゼン資料や提案シナリオにまとめる一連の業務を人に代わって実行する。パスワード入力や最終確認など人の対応が必要な場面では、担当者に確認や入力を依頼しながら処理を進める。
AIエージェントは、チャット単位ごとに独立した仮想環境上で動作する。この仕組みにより、AIエージェントの処理が他のシステムやデータに影響を与えたり、アクセス権限のないシステムや外部サービスにアクセスしたりすることを防ぐ。また、AIの不適切な利用を防ぐガードレール機能も備わっている。
SaaSが標準形態であるが、ユーザーのニーズに応じてオンプレミス環境にAGENTIC STARを構築する「カスタマイズモデル」を選ぶこともできる。
今後の機能拡張として、2026年3月から、既存の業務システムにAPI/MCP連携でAIエージェント機能を組み込める「外部接続モデル」を提供する。ほかにも、AIエージェントを開発するためのSDKや実行環境を提供する「開発基盤提供モデル」の提供も予定している。
