[インタビュー]
AI時代にDAPはどう進化するのか─WalkMeが「UI由来のAI」で目指す、業務プロセス自動化の未来
2026年5月22日(金)指田 昌夫(フリーランスライター)
企業が巨額のIT投資を行う一方、現場のユーザーがシステムやツールを使いこなせないという「デジタルフリクション(Digital Friction:デジタルの摩擦)」が問題視されている。AI活用においても多くの企業が同様の課題に直面する中で、デジタルアダプションプラットフォーム(Digital Adoption Platform:DAP)ベンダーのWalkMeは、ユーザーとシステムの間に立つ「翻訳者」として、こうした投資と利用のギャップ解消に取り組んでいる。同社 グローバル フィールドCTO(Chief Technology Officer)のKJ・クッシュ氏に、AI時代における日本企業のIT投資の課題や、業務プロセス自動化の未来について聞いた。
「業務アプリケーションの画面操作を15年見続けてきた」
企業はDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に向け、クラウド移行やSaaSの導入、さらには最新のAI技術に対して多大な投資を行っている。IT調査会社のガートナーは2024年時点で、同年の世界IT支出が約800兆円規模に達すると見積もっていた。しかし個々の企業を見ていくと、AIを含むツールを導入しただけで活用が進まず、期待した投資対効果(ROI)が得られていないケースも多いという。
デジタルツールの定着と活用を促し、こうした課題を解決する「デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)」のリーディングベンダーの1社が、2011年創業のWalkMeだ。同社はこれまで、企業の複雑なIT環境においてユーザーがシステムを活用できるよう、ナビゲーションを提供するレイヤーとして発展してきた(関連記事:「DAPが投資と利用実態のギャップを埋め、デジタルの力を最大化する」─WalkMe アディカCEO)。
企業内にはさまざまなアプリケーションが存在するが、WalkMeは主要なWebブラウザのプラグインとして導入され、ブラウザをインターフェースとするすべての業務システムの上に覆いかぶさる共通基盤として機能する。
WalkMeがこの15年間で蓄積した最大の資産は、テクノロジーそのもの以上に、「人がシステムをどのように使っているか」という膨大なデータと知見であると語るのは、同社 グローバル フィールドCTO(Chief Technology Officer)のKJ・クッシュ(KJ Kusch)氏(写真1)だ。
写真1:WalkMe グローバル フィールドCTOのKJ・クッシュ氏「多くのテクノロジー企業は、ビジネスプロセスが完了した『結果』のデータしか持っていない。しかしWalkMeは、『この画面でユーザーが毎回エラーを起こしている』『操作を完了するために何度もスクロールを繰り返している』といった、ユーザーの画面上での動きや迷いのプロセスを15年間見続け、学習してきた。このUIがどのように使われるかについての深い理解こそが、他のテクノロジー企業にはないWalkMeの強みだ」
●Next:進化を続けるデジタルアダプションの現在地
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