[事例ニュース]

大鵬薬品、BPM基盤を構築して品質管理業務を効率化、出荷判定時間を74%削減

「intra-mart Accel Platform」と「IM-BPM」を導入

2026年7月8日(水)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)

大鵬薬品工業(本社:東京都千代田区)は、自社の品質管理要件を満たしつつ業務工数を削減するため、業務プロセス管理(BPM)基盤の構築に取り組み、成果を挙げている。システム基盤/開発・運用フレームワーク「intra-mart Accel Platform」とBPMツール「IM-BPM」による新しい基盤の下、製品出荷判定で74%、製品品質照査で78%の作業時間削減を達成したという。NTTデータ イントラマートが2026年7月7日に発表した。

 大鵬薬品工業は、「チオビタ・ドリンク」や「ソルマック」などの一般用医薬品で知られる、大塚ホールディングス傘下の製薬会社である。売上の約9割を占める医療用医薬品事業では、「がん治療薬のスペシャリティファーマ」として世界的に高い評価を得ている。

 ITへの取り組みとして同社は、MES(製造実行システム)やLIMS(試験室情報管理システム)などを運用し、製造・品質管理業務のデジタル化を進めてきた。

 一方で、システムごとに独立してデータを管理していたため、適正製造規範(GMP)の下で実施する出荷判定や製品品質照査において、複数のシステムや紙の文書から必要な情報を手作業で収集・確認する必要があった。その際、収集したデータが正確かつ改変なく揃っているかを人手で突き合わせていたという。

 そこで、製薬会社の品質管理要件を満たしつつ業務工数を削減するため、業務プロセス管理(BPM)基盤の構築と、BPMに基づいた品質管理システムの刷新を決定。NTTデータ イントラマートを選定して、同社のシステム基盤/開発・運用フレームワークの「intra-mart Accel Platform」とBPMツール「IM-BPM」を採用した(図1)。

図1:大鵬薬品工業が構築した品質管理システムの概要図(出典:NTTデータ イントラマート)
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 2023年後半に導入プロジェクトが始動、デジタル・IT統括部と品質保証部が連携して進めた。導入作業を日本テクノ開発が支援し、基盤の整備、アプリケーション開発・テストを約4カ月で完了。要件定義段階でドキュメント化を徹底したことで、手戻りなくプロジェクトを進められたという。

 BPM基盤/品質管理システムの構築と同時に、業務プロセスの棚卸し・精査を実施した。従来の手順から本当に必要な作業のみを抽出し、暗黙知となっていたプロセスの言語化に取り組んだ。また、ワークフローを差し戻す際にどの段階へ戻すべきかのパターンを検証し、振り出しに戻らずに済むようにした。

 完成したシステムは、大鵬薬品の北島工場(徳島県板野郡)において製造、品質試験、品質保証、設備、ITの5部署が製品品質照査と出荷判定の業務に利用している。データの収集・まとめ作業を自動化し、出荷判定で74%、製品品質照査で78%の業務時間削減を図った。年間の稼働時間に換算すると数千分単位の時間短縮に相当するという。

 新システムの下、ユーザー部門が自身でマスターを登録・更新できるようになった。また、データを収集して紙文書にまとめる作業が不要になり、作業ミスやミスを排除するための確認作業から解放された。ほかには、システムが情報共有用のメールを自動送信する機能により、情報伝達の効率化が進んでいるという。

 大鵬薬品は次のステップとして、徳島工場や埼玉工場などの別拠点や社内の他システムにBPM基盤を適用する予定。製品品質照査や出荷判定以外に、査察時の情報提示などでの活用や、汎用的なワークフローシステムとしての運用を視野に入れている。

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