[ユーザー会通信]
国際発言組織SUGEN設立で、各国ユーザーの要望をSAP AGの経営陣に伝える─JSUG(Japan SAP Users’ Group)
2009年1月30日(金)IT Leaders編集部
今回紹介するのは、SAPジャパンのユーザー会、JSUG。発足は1996年。2008年10月末現在の会員数は法人会員、賛助会員を含め445社。活動目的は、SAP製品やサービスに関する最新情報の共有と研修活動(エデュケーション)、会員相互の親睦と交流(ネットワーク)、SAPの戦略や製品への影響(インフルエンス)の3つ。活動の基盤となっているのは、部会、分科会活動で、その数は22に達する。産業別、機能別、地域別、研究テーマ別に活発なコミュニティ活動を展開。情報交換だけでなく、製品やサービスの機能追加や改善の要望など、ユーザーの声をSAPに届ける役割も果たす。
SAPジャパンのユーザー会であるJSUG(Japan SAP Users’ Group)の第1の特徴は、多彩な会合だ。例えば経営層向けにはLeaders Exchange、情報システムの管理や運営、開発に携わっている実務者にはJSUGテクニカルフォーラムを開催。同じ役割、立場の当事者同士が情報交換することで、導入、運用、活用に関する悩みや課題を共有できる仕組みとなっている。
第2の特徴は、海外のユーザー会との連携。世界12カ国のSAPユーザー会から成る「SUGEN(SAP User Group Executive Network)」は、各国ユーザー会からの要望を統合してSAP AGの経営陣に伝えるなど、強力な国際的発言力をもっている。JSUGの役員も参加。2008年度はすでに2回、会合が開催された。SUGENには3つの作業部会(ERP/アップグレード、エンタープライズSOAの適用、長期のポートフォリオ管理)があり、各部会へはJSUGのメンバーも参加し、課題解決に取り組んでいる。
JSUG活動の集大成といえる「JSUG Conference」は年1回開催される。2008年は11月13日に「SAP BUSINESS SYMPOSIUM PREMIUM ‘08」と併催する形で開催された。860名あまりのユーザーが参加し、基調講演(パネルディスカッション)、JSUGセッションなどが行われた。
パネルディスカッションには、代表取締役社長兼CEOのギャレット・イルグ氏と、JSUG会長の安永豊氏、副会長の安部親礼氏、白石寿太郎氏が出席。「日本企業を強くするために共にできることとは」と題して、ユーザー会の役割や、海外との連携、CS(カスタマーサポート)についてなど、活発な議論を繰り広げた。
JSUGセッションにはのべ約460名のユーザーが参加。7つのセッションで会員や部会の1年間の活動成果が発表され、JSUG論文賞の特賞受賞記念講演「製薬MRシステムにSAP NetWeaverを採用して」(鳥居薬品 斎藤尚氏)などの講演や発表が行われた。
設 立 | 1996年 |
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趣 旨 | SAP製品に関するビジネスソリューション情報の入手と共有、会員相互の親睦、研鑚、SAP戦略への影響 |
会員数 | 約445社(ユーザー392社、パートナー53社、2008年10月末現在) |
年会費 | 法人企業6万円(初年度は無料)、賛助会員11万円、個人会員3万円 |
主な参加企業 | 日本郵船(会長)、日本特殊陶業(副会長)、丸紅(副会長) |
URL | http://www.jsug.org/ |
部会/分科会/フォーラム/研究会の開催 |
大会(JSUG Conference)及び総会の開催 |
JSUG論文賞 |
各種アンケートプログラムの実施(アンケート活動を通して SAP社に声を届けるプログラム) |
海外ユーザーグループとの交流(SUGEN等) |
JSUGNET |
会長からのメッセージ
日本郵船 顧問
安永 豊氏
JSUGに集うメンバーにはユーザーもパートナーも担当者も役員もいます。それぞれの立場で課題を持ち寄り、お互いの経験から学び合い、議論しています。
その結果、従来からの業界や業務別の会合に加え、テーマ別、立場別の会合も増えており、年間100回以上の会合を開催しています。時には海外のユーザー会からゲスト講師を呼ぶこともあります。
SAPはグローバルな組織であるため、ユーザーの声を反映するために常時世界12カ国のSAPユーザー会と連絡を緊密に取り合い、共通課題については一緒にSAP本社に働きかけることもあります。活発な会員の声に支えられて、SAP本社、SAPジャパンと定期的に幅広く課題を議論していますが、これからは日本がリーダーシップをとっていけるような活動もしていきたいと思っています。
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