女性の参加率を高める企画にも注力する、40年以上の歴史を持つ老舗ユーザー会
メインフレーム黎明期の1964年、「HITACユーザ研究会」としてスタートした「日立ITユーザ会」。日本のITの歴史をユーザーとともに歩んできた、老舗のユーザー会だ。同会は日立のIT関連製品/サービスを利用している組織や事業所であれば、誰でも会員資格が得られる。
メインフレーム黎明期の1964年、「HITACユーザ研究会」としてスタートした「日立ITユーザ会」。日本のITの歴史をユーザーとともに歩んできた、老舗のユーザー会だ。同会は日立のIT関連製品/サービスを利用している組織や事業所であれば、誰でも会員資格が得られる。
主な活動は、全国の会員を対象とした大会やシンポジウム、分科会活動(金融、行政、科学技術、IT利用技術、ERPシステム)、委員会活動(会報編集、論文)など。それらに加えて、全国10の支部がそれぞれでセミナーやワークショップ開催などの活動を行っている。
これらの活動項目を見ると特筆すべき特徴があるというわけではないが、中身そのものには老舗ならではの練られた取り組みがある。その1つが会員の声を吸い上げ、会員に喜ばれる、価値ある企画の充実を図っていること。たとえば毎年春に開催する大会や秋に開催するシンポジウムでは、参加者が楽しめるよう、著名人による講演を実施するなど、さまざまな趣向を凝らしている。昨年6月に開催された「第45回大会」では、ノンフィクション作家の山根一眞氏や、映画「瀬戸内少年野球団」などの監督、篠田正浩氏が講演。昨秋に四国支部が香川県高松市で開催したシンポジウムでは、阿波踊りの余興や、四国の見所を紹介する見学会を実施している。
第2の取り組みは、女性会員の参加を促進する施策だ。ITの分野においても、活躍する女性は年々増えている。しかし行事に参加する女性はまだまだ少ない。そこで同ユーザー会では、四国シンポジウムで初めて女性を対象とした特別講演会を実施。結果、2日間でのべ1400人の参加者のうち、1割超は女性だったという。
同ユーザー会では論文活動にも注力。ホームページで論文のテンプレートや執筆のためのマニュアルを提供して、応募論文数の増加に努めている。今年度はT&D情報システムの米倉秀昭氏「セキュリティ強化とユーザビリティを追求した営業支援システムの開発」が特賞を受賞。5月21、22日に行われる第46回大会で表彰式が行われる。
会員の声を吸い上げる仕組みとして活躍しているのが、ユーザー会のホームページだ。書き込みのできる掲示板を用意。会員が自社の情報などを自由に発信できる場所や、各分科会や論文委員会など特定のメンバーがディスカッションする場所として活用されている。また、会員向けのアンケートを実施して、活動や行事の参考にしている点も、会員の声を積極的に吸い上げて活動の充実を図ろうという同ユーザー会の姿勢の表れと言えるだろう。
設 立 | 1964年 |
---|---|
趣 旨 | 異業種交流、情報共有、人材育成 |
会員数 | 約1500社 |
年会費 | 2万4000円 |
主な参加企業 | ブリヂストンソフトウェア(会長)、名古屋鉄道(副会長)、大同生命保険(副会長) |
URL | https://www.it-user.hitachi.co.jp/ |
大会、シンポジウム |
分科会活動(金融、行政、科学技術、IT利用技術、ERPシステム) |
委員会活動(常任、会報編集、論文) |
Webサイト(コミュニティサイト) |
会報誌「HITACHI USER」の発行(隔月) |
支部活動(セミナー、ワークショップ) |
論文 |
会長からのメッセージ
取締役会長 古屋 隆幸氏
北は北海道から南は沖縄まで、日本全国の会員を擁する日立ITユーザ会。主役である会員による会員のための活動が原点です。
激しく揺れ動く経済環境が続き、しばらくは予断を許さない状況です。このような厳しい時期だからこそIT効用の真価が問われているものと考えており、そのためにはIT化推進の役割を担う私達自身が、環境の変化を直視し、変革しなければなりません。スピードを持ち、思い切って実行することを念頭に、3年先を睨んで2年先を語り1年先を照らしながら顧客起点で懸命に努力し、着実に成果に結び付けていくことが必要だと思います。
日立ITユーザ会は、会員と日立が連携し「有効事例の紹介や会員相互の情報交換」による「協創」を目指し、会員にとって価値ある活動を展開します。また、次世代を担う若い方々や女性の方々にも喜んで参加していただける新たな活動の導入に誠心誠意取り組んでまいります。
- 安心して使えるオープンソースを目指して、世界に先駆け日本でユーザー会を発足─レッドハットエンタープライズユーザー会(REUG)(2010/10/27)
- データウェアハウスの活用ノウハウを事例を基に活発に研究、海外との連携も強化─Teradata User Group Japan(TUG-J)(2010/07/27)
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