NECは2009年4月23日、企業向けクラウド基盤サービス「クラウド指向サービスプラットフォームソリューション」を7月から提供開始すると発表した。同社のデータセンターでサーバー、OS、ミドルウェア、アプリケーションなどを運用し、その環境を企業にサービスとして提供する。
NECは2009年3月、400億円を投じて自社の基幹システムをクラウド基盤上で全面刷新するプロジェクトを開始済み(本誌5月号を参照)。このプロジェクトから得られる経験やノウハウを、今回の新サービスに生かしていく構えだ。
新サービスの提供モデルは、「SaaS型」「共同センタ型」「個別対応型」の3種を用意。利用企業は、自社のニーズに適合するモデルを選択できる。SaaS型は、企業間の差異が少ない定型業務アプリケーションをネットワークを介して従量課金制で提供する。例えば、自治体向け基幹業務やインターネット・バンキング業務などである。
共同センタ型は、同じ業種の複数企業が業種標準のアプリケーションを同一プラットフォーム上で共用する。すでに、「事務集中・BPOサービス」や「地銀向け勘定系サービス」、「建設業基幹サービス」などをメニュー化した。
個別対応型は、企業ごとに用意したプラットフォーム上にシステムを構築。企業はオンデマンドでサービスを利用できる。システム構築に際して、業務プロセス改革や業務プロセス管理(BPM)を支援するコンサルティング・サービスも提供する。
今回の発表に先立つ2009年4月、NECは大幅な組織改編を実施。「ITサービスビジネスユニット」を設立し、サービス事業を強化する姿勢を鮮明にしている。