日本ユニシスは2009年6月2日、顧客へ信頼性の高いシステムを提供するため、システム基盤「AtlasBase」を導入し、オープン系システムサービスの体制をより一層強化すると発表した。
「AtlasBase」は、すでに日本ユニシスグループが提供するシステムに活用されており、2008年度は同社の手がけた大・中規模オープン系システム構築プロジェクトの約40%に適用されているという。
対象業種や規模も多岐にわたっており、数万件/日のトランザクションを処理するJavaベースの金融系決済システムから、流通系ECサイト、SaaSアプリケーション、各種ソリューションにいたるまでビジネスの基盤を支える重要なシステムに活用されているという。また、日本ユニシスグループは「AtlasBase」の知財整備・拡充と適用を支援する組織を120人体制で運用しており、今後も更なる強化を図る予定だという。
「AtlasBase」の推進体制は以下のとおり。
- AtlasBaseコンピテンスセンター」を設立し、推進体制を強化
日本ユニシスグループのシステム基盤を支える知財を開発、適用、運営する組織として、「AtlasBaseコンピテンスセンター」を設立する。
「AtlasBaseコンピテンスセンター」は、同社のシステムエンジニアに対し、実践的な開発標準および検証情報と技術情報を蓄積・公開。また、システム開発の現場で起こるさまざまな課題に対し、ヘルプデスクでの回答や支援メニューを提供することで、より品質の高いシステム構築を支援する。 - 「AtlasBaseコンピテンスセンター」の構成
「AtlasBaseコンピテンスセンター」は、アプリケーション開発におけるフレームワークを提供するJavaアーキテクト・.NETアーキテクト、およびインフラストラクチャ構築における設計、構築を行うシステム基盤アーキテクト・データベーススペシャリストを中心とした人材で構成される。
「AtlasBase」はオープン系システム開発のフレームワークを提供するが、その特長は以下のとおり。
- システム共通機能領域からインフラストラクチャ領域までを網羅
・システム共通機能領域:Java EEと.NET Frameworkをベースに規定し、アプリケーションを開発するためのフレームワークと開発標準を提供。
・インフラストラクチャ領域:オペレーティング・システムから各種基盤ソフトウェアまでの製品を規定し、インフラストラクチャ構築時の設計方法、構築ノウハウをまとめて提供。 - 開発プロセス全般を網羅する各種ドキュメントの提供
・要件定義から本番稼働にいたるまでに必要なドキュメント体系を整備し、システム開発を円滑に進める開発標準を提供。
・開発作業効率の向上や作業の抜け漏れを防止するための各種ガイド、テンプレート群、ツール群、ライブラリを提供。 - 検証済みプロダクトセットの活用
・検証規約に基づきシステムモデルを構成し、アプリケーションを稼働させて検証した「検証済みプロダクトセット」を活用。
・検証で得たノウハウ・知財とその活用を通じ、システム構築時に発生するリスクの未然防止、および課題の迅速な解決を支援。 - 支援体制(社内技術支援、ヘルプデスク、知財公開・運営)
・開発標準、検証情報、プロジェクトでの課題解決結果、支援情報などを最前線のシステムエンジニアに提供することで、システム開発の円滑な遂行を支援。
・蓄積した知財を元にプロジェクトで起こるさまざまな課題に対し、スピーディーな情報提供を行い、早期解決を図る。
日本ユニシス
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