日立ソフトは2009年7月1日、仮想化技術を活用して社内のサーバ統合やクライアント集約を実現したい顧客に 「SecureOnline(セキュアオンライン)」の構築ノウハウを凝縮した「クラウド設備」を貸し出すサービスを2009年9月1日より販売することを発表した。同サービスでは、クラウド基盤を構築するために必要なブレードサーバ、SANストレージ、ネットワーク機器、および管理コンソールをすべてラックに収容し、さらに仮想化ソフトの設定まで完了して貸し出すため、顧客はこれらの設備を購入する必要がなく、月々の利用料を支払うだけでクラウド設備を使って仮想マシン(VM)を利用することができる。
日立ソフトは2007年1月から、IT基盤を必要な時に必要なだけ利用したい顧客に対して、月額単位でVMを提供するクラウド型サービス 「SecureOnline統制IT基盤提供サービス」を販売してきた。
また、2008年11月からは、自社のデータセンタにクラウド設備を所有したい顧客に対して、SecureOnlineと同等の仕組みを持ったクラウド設備を販売する「SecureOnline1ラックソリューション」の提供を始めていた。
「SecureOnline出前クラウドサービス」は、クラウド設備を購入することなく自社のデータセンターに設置したいという顧客に対して、同社のクラウド設備を貸し出すサービスで、同サービスの追加によってさらに広い顧客からのニーズに対応可能となった。
「SecureOnline出前クラウドサービス」のサービス名、利用料などは以下のとおり。
サービス名 | 標準利用料 | 最大稼働VM数 (サーバ利用) |
最大稼働VM数 (クライアント利用) |
1ラックサービス | 100万~400万円/月 | 60VM | 200VM |
ミニラックサービス | 50万~200万円/月 | 24VM | 80VM |
プチラックサービス | 25万~100万円/月 | 15VM | 50VM |
同サービスのクラウド設備は、2年以上の運用実績のあるSecureOnlineのクラウド設備と同等のセッティングがなされ、その運用手順書も提供されるため、ユーザーはクラウド設備を導入したその日から、クラウド設備を運用しVMを稼働させることが可能。
さらに、クラウド設備の修正パッチの適用やバージョンアップは、SecureOnlineであらかじめ適用し、その実績に基づき報告されるため、システム変更作業の検証は不要。クラウド設備は稼働監視ツールにより24時間365日監視され、ハード障害は事前に予防措置が取られる。VMの稼働監視についても、専用の監視ソフトが提供され、ユーザー自身で個々のVMの稼働状況を把握することができる。
同社は、2009年度に5社を目標に同サービスを販売し、2010年度には20社に拡大して年間売上3億円を目指す。
日立ソフト
http://hitachisoft.jp/