1カ月間に発表された主要なユーザー事例を紹介する、ニュースフラッシュ ユーザー事例編。製造業や金融業、その他のユーザー企業の情報システム導入・構築事例から、12個の事例を取り上げた。
業種システム [その他]
朝倉医師会病院が地域医療連携システム構築
福岡県朝倉市において、30カ所の地域診療所などと共同で構築した。カルテを含む診療情報を各診療所とネットワークを介して共有する。同院の周辺地域は高齢化率が26.3%と高く、地域診療所との連携が急務だった。富士通の電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-FX」と地域医療ネットワークシステム「HOPE/地域連携」を採用。2009年4月に本格稼働している。 (2009/12/11)
ビジネスインテリジェンス(BI) [その他]
ユナイテッドアローズがBI基盤導入
主力事業のセレクトショップは商品アイテムが多く、煩雑な調達管理を強いられる。従来使っていたBI基盤では利用者拡大に耐えられないと判断、システム刷新に踏み切った。SAPジャパンのBI基盤「SAP BusinessObjects XI 3.1」やレポーティングツール「SAP Business Objects Web Intelligence」を採用。現在は本部社員のみが利用するが、各店舗への導入も進める考え。 (2009/12/15)
仮想化 [製造業]
キングジム、仮想化でサーバー統合
運用負荷の削減が目的。約70台で運用していたシステムが対象。固定資産管理システムなどの9システムを統合し、新たに電子決済システムのほか5システムを仮想環境上に構築した。最終的には約40システムを集約する。ヴイエムウェアの仮想化ソフト「VMware Infrastructure 3」とネットアップのネットワークストレージ「NetApp FAS2050A」を採用し、ネットワールドが構築した。 (2009/12/16)
コンテンツ管理システム(CMS) [製造業]
西武鉄道がCMS導入
電車の運行状況や時刻表などを備える自社サイト向けに導入した。今まではコンテンツ作成からアップロードまでを手作業で実施しており、サイト運営の負荷が高まっていた。導入したシステムはWebページの作成支援機能や公開時の承認申請機能を備え、運用負荷軽減を目指す。システムにはアシストのCMS製品「NOREN」(開発:韓国I-ON COMMUNICATIONS)を採用した。 (2009/12/17)
アウトソーシング [製造業]
ハウス食品がDC運用をアウトソース
グループ約4000人が利用する情報システム基盤を対象に、運用負荷の低減や事業継続対策の強化を目的として実施した。NECの「ハウジングサービス」を利用。メインフレームと130台のサーバーで構成するデータセンターの運用管理をNECに委託する。併せて従来2台あったメインフレームを1台に統合。今後もサーバー統合を推し進める。2009年5月から同サービスを利用している。 (2009/12/17)
シンクライアント [製造業]
ワコールがシンクライアント導入
全国の百貨店などに展開する約800の直営店に導入した。情報漏洩対策の一環。システムは日立製作所の「セキュアクライアントソリューション 統合型」を採用。ブレードPC「FLORA bd500」やシンクライアント端末「FLORA Se210」などで構成し、日立製作所と日立システムアンドサービスが共同で構築した。今後は全国に約1500店あるすべての直営店への導入を進める考え。 (2009/12/17)
原価管理 [製造業]
ニコン、原価管理システム刷新
2007年から推進する基幹システム再構築の一環。新システム構築に当たっては保存データ量の削減を重視。データ圧縮の仕組みを備えることで、保存容量を4分の1に削減した。日本オラクルのデータベース製品「Oracle Database 11g」やデータ圧縮オプション「Oracle Advanced Compression」などを採用。09年4月から本格稼働している。 (2009/12/19)
シンクライアント [金融業]
AIGエジソン生命保険がシンクライアント導入
2010年6月までに、全営業社員のPC約4200台を順次シンクライアントに切り替える。システム運用の効率化や管理コストの削減が目的。導入したシステムは既存のPCをそのまま利用する仕組みで、移行コストを抑える。同社はセールスフォース・ドットコムのPaaS「Force.com」上での業務システム構築を進めており、シンクライアント導入でクラウド化への流れを加速させる。 (2009/12/24)
プロジェクト管理 [その他]
大学間連携にファイル転送サービスを採用
国際医療福祉大学など7大学が共同で構築する、教育用電子カルテシステムに採用した。システム構築にあたっては、実際の病院間データ通信への応用も視野にセキュリティを重視。独自プロトコルにより情報漏洩を防ぐイーパーセルのファイル転送サービス「e・パーセル電子宅配便サービス」を採用した。09年10月に本格稼働を開始し、100人程度が利用している。 (2009/12/25)
業種システム [金融業]
筑邦銀行、勘定系システムを刷新
システムは佐賀銀行、十八銀行と共同開発し、3行の共同アウトソーシングセンターで運用する。2010年1月に稼働開始した。十八銀行は09年1月から利用していた。新システムはWindows Serverを中心としたオープンシステムを採用し、SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づいた設計でシステム変更を容易にした。勘定系システムには日本ユニシスの「BankVision」を利用している。 (2010/1/4)
基幹業務システム [製造業]
花王が国内の基幹系を全面刷新
同社が推進する、グローバルでの基幹系統合プロジェクトの一環。新システムでは基幹系とサブシステムとの接続を見直し、数百あったインタフェースを数十に削減。同時にSOA(サービス指向アーキテクチャ)を採用して将来のシステム変更に備えた。SAPジャパンの「SAP ERP 6.0」などを採用し、アビームコンサルティングと共同で構築した。09年4月に本格稼働している。 (2010/1/7)
コールセンター [金融業]
北國銀行がコールセンターシステム構築
2010年1月に稼働開始した。同行と第四銀行、千葉銀行、中国銀行、伊予銀行の5行でシステム共同化を推進する「TSUBASAプロジェクト」の一環。同プロジェクトは基幹系ではなくサブシステムの共同化を先行して進めており、その中で初めての成果物となる。第四銀行は昨年11月から利用していた。「IBMチャネル共同センター・サービス」を採用し、システムは日本IBMが運用する。 (2010/1/13)
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