Express5800/E110b-M/NEC NECは2010年5月17日、サーバー「Express5800/E110b-M」を発売した。ネットブックなどに用いるインテル製プロセサ「Atom」をサーバーに転用するなどし、消費電力量を抑えた。
製品の概要

Express5800/E110b-Mは、3Uサイズのエンクロージャに20台収納できる小型サーバーで(写真1)、「ECO CENTER」と呼ぶラックに最大240台まで搭載できる。データセンターでの利用を想定し、省電力化と省スペース化を図った製品だ。
主な特徴は2点。1つはプロセサにインテルの「Atom」を採用したことだ。主にネットブックなどに用いるAtomを搭載したことで、サーバー向けプロセサ「Xeon」シリーズなどに比べ、消費電力を大幅に抑えられる。
Express5800/E110b-Mが搭載する「Atom N450」の場合、動作クロックは1.66GHzでコア数は1とスペック面はやや物足りないが、消費電力の目安となるTDP(熱設計電力)は5.5ワットとなり「Xeon 5600番台」の40〜130ワットを大きく下回る。
なお、Atom N450は「ハイパースレッディング」をサポート。同時に2つの処理を実行できる。仮想化支援機能である「バーチャライゼーション・テクノロジー」はサポートしていない。
もう1つは、独自開発した電源ユニット「EcoPowerGateway」を利用する点だ。1Uサイズのきょう体内に4基まで電源を搭載でき、最大80台のサーバーに電力を供給する。複数サーバーの電力を1カ所に集約することで電力損失を抑え、個々のサーバーが電源を搭載する場合と比べて約10%の省電力化を図れる。
これらを搭載することで、従来機「Express5800/iR110a-1H」に比べて消費電力と設置面積を最大で70%削減できるという。
そのほか、リモートでサーバーを運用監視する「EXPRESSSCOPE エンジン2」を搭載。遠隔からプロセサやメモリー、冷却ファンなどの稼働状態を監視し、異変があればサーバーのシャットダウンや再起動を実施できる。遠隔操作はサーバーの電源がオフの状態でも利用可能だ。
同社は主な販売先に、専有型の物理サーバーを提供するホスティング事業者を想定。一般企業においては、複数システム間のファイル/データ変換などを行うゲートウェイサーバーとして、Webやファイル、ドメインサーバーなどの複数の物理サーバーを統合し、システムの運用を効率化したいと考えるオフィスなどでの利用を想定する。
製品の価格
価格(税別)はE110b-Mが6万3000円から(メモリとディスクは非搭載の場合)。EcoPowerGatewayが24万円から(電源を2台搭載する場合)。
(折川)
プロセサ | モデル | インテル「Atom N450」 |
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動作クロック数 | 1.66GHz | |
コア数/スレッド数 | 1/2 | |
メモリー | 最大搭載容量 | 2GB |
規格(最大動作クロック数) | DDR2(667MHz) | |
ディスク最大搭載容量 | 500GB(SATA)もしくは50GB(SSD) | |
消費電力(待機時/高負荷時) | 23.3W/27.0W | |
サポートOS | Red Hat Enterprise Linux 4.8/4.8(EM64T)/5.4/ 5.4(EM64T) |