日本IBMは2011年1月26日、スマートフォン、デスクトップ、ノートパソコン、サーバーといった、ネットワークに接続する各種端末の管理を行うソフトウェア製品群「IBM Tivoli Endpoint Manager V8.1」を2011年2月1日より提供開始すると発表した。同製品は、2010年7月に同社が買収を発表したBigFix社との統合後初めての製品。
「IBM Tivoli Endpoint Manager Solution V8.1」は、企業内の各種端末に対し、パッチ配付、ソフトウェア配付、セキュリティー設定、ライセンス、電源などの一元管理を行う製品。管理対象端末に導入されるモジュールに、CPU使用率やネットワーク帯域の割合を制限する機能があるため、これらの管理をシステム負荷を抑えたまま実施できる。
従来は、パッチ配付などの作業にパソコンが占有され、通常業務に差し障りが生じたり、夜間の実施が必須だったが、同製品ではCPU使用率の制限を0.5%~20%で設定できるので、性能の低いパソコンや帯域の限られた遠隔地の端末に対しても、またモバイル接続の状態においても、端末使用者に負担を強いることなく、他の端末と同等の管理を行える。途中でネットワークが切断された場合も、次回の接続のタイミングで再送信が始まるので、管理の漏れが生じない。
また、定期的にリリースされるWindows OSや各社のアプリケーションのパッチ配付について、従来はパッチのファイル名やパッチ提供のための実行パラメーターの指定などの事前準備が個々のパッチごとに必要だったが、パッチ適用対象となるPCの前提条件も定義した上で、適用すべき最新のパッチ情報を、同社からユーザーの管理サーバーに送信するため、IT管理者は管理対象PCと配付時間を設定するだけの作業でパッチ適用を行うことが可能。
さらに、従来はソフトウェア配付管理や、ネットワーク経由でハードウェアやソフトウェア情報を収集するインベントリー管理、各端末がコンプライアンス対応を実施できているかどうかの管理などを1つの画面で行える。
加えて、管理者が管理サーバーと管理対象端末の間に、「リレー」と呼ばれる中間サーバーを設定することで、通信を中継し処理を分散させることができるので、パフォーマンスを損なうことなく、管理を行える。同社の試算では、50万台のマシンに、わずか数分間でセキュリティー修正やソフトウェア配付を行うことが可能であるとのこと。
同製品の使用料金は以下のとおり。
- IBM Tivoli Endpoint Manager for Lifecycle Management V8.1
※資産管理、リモート制御、ソフトウェア配布、パッチ管理、電源管理など
1,380万円(税別、管理対象端末数が1000の場合) - IBM Tivoli Endpoint Manager for Security and Compliance V8.1
※資産管理、セキュリティー構成管理、脆弱性管理、パッチ管理、電源管理など
1,380万円(税別、管理対象端末数が1000の場合) - IBM Tivoli Endpoint Manager for Patch Management V8.1
※パッチ管理のみ。「IBM Tivoli Endpoint Manager for Lifecycle Management V8.1」「IBM Tivoli Endpoint Manager for Security and Compliance V8.1」に同機能は含まれる。
244万円(税別、管理対象PC端末数が1000の場合) - IBM Tivoli Endpoint Manager for Power Management
※電源管理のみ。「IBM Tivoli Endpoint Manager for Lifecycle Management V8.1」「IBM Tivoli Endpoint Manager for Security and Compliance V8.1」に同機能は含まれる。
286万円(税別、管理対象PC端末数が1000の場合)
日本IBM
http://www.ibm.com/jp/ja/