ユーザー企業はERPのどこに満足し、一方では何に不満を感じているのか。 今回実施したアンケートの結果をもとに、詳細な分析を試みた。 そこには適切な利活用を目指すためのヒントがうかがえる。(調査方法や回答者プロフィールについてはPart5を参照)
ERPを導入しても十分な効果が得られないといった声は少なくない。なぜこうした不満を抱くようになるのか。そこでERPの導入状況や具体的な適用領域などを調査。満足度との関係などを分析してみた。
着実に導入進むERP
部分採用から一貫導入へ
まず、ユーザー企業の現状を確認しよう。導入状況について調査した結果を図3-1に示す。回答者(266人)のうち、目標とする適用範囲で利用中と答えた人は27.4%、導入し適用範囲をさらに拡大中(または拡大を検討中)と答えた人は23.7%で、両者を合わせると導入済みは51.1%と半数を超える。
一方、導入フェーズにあると答えた人(3.8%)は導入予備軍であり、これを含めるとERPの導入率は54.9%まで上昇する。2010年にERP研究推進フォーラムが実施した調査では導入率が49.2%で、調査対象者は異なるものの+5.7%と着実な伸びを示している。
なお、数年前のフォーチュン100社のERP導入率は75%前後であった。当フォーラムでは、日本企業のERP導入率は欧米企業に比べて10〜15%低いと考えることから、数年後の導入率は60〜65%まで増えるのではと見込む。
次に、ERPをどの領域で利用しているのかを調べた(図3-2)。2007年に実施した同様の調査結果と比較すると、次のような傾向を読み取れる。
- 2007年はERP利用企業の22.0%が会計のみに適用していたが、現在は11.7%と半減している。日本は長年、ERPを会計のみに適用するケースが大半だったが、適用範囲を徐々に広げつつあることが分かる。
- 会計系と業務系を合わせて導入する「基幹系導入」が2007年の12.0%から16.2%へと伸びている。会計のみ導入していた企業が半減した影響もあるが、これまで導入が進まなかった購買や販売、生産管理といった分野でもERPを導入して利用効果を高めようという狙いが見てとれる。
- EPM(業績管理)やBIなどの経営管理を含める「統合導入」の割合が2007年の6.0%から16.2%へと大幅に伸びている。現実のビジネスの流れを把握することの必要性が高まっていることから、EPMやBIに投資する企業が増えていると推測される。
なお、図には示さないが利用中のERPパッケージも集計した。SAP Business Suite(SAP ERP R/3を含む)の割合が27.1%で最も高く、Oracle E-Business Suiteの13.3%、OBIC7の6.9%と続く。割合は低いが、国産ERPの利用率が年々上昇する傾向にある。
グローバル展開する企業とその計画のない企業別に利用製品も調べた。グローバル展開中/計画中の場合、SAPとオラクルの割合が高くなり、国産品の利用率が下がる。ただし、人事や生産管理の領域で日本の慣習にキメ細かく対応した国産ERPが増えており、海外展開する日本企業が導入するほか、現地企業が導入するケースも見られる。
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