ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)は2011年7月1日、社内の業務システムを全面刷新。これに伴い、7月27日にメディア向け説明会を実施した。創業11年目にあたる今年、グローバル展開を見据えた次の10年を支える新たなITをアピールするためだ。ユーザー企業が自らこうした機会を設けるのは極めて珍しい。
IT Leadersの連載コラムで毎月詳報している、このプロジェクトの名称は「G10」。2010年1月に始まった。その主な開発対象は、ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)の会員基盤やEC、ゴルフ場予約、会計/情報流通基盤、カスタマーサポートといった業務システムである。このほか、Webサイトデザインの見直しや、システム間連携など周辺機能の開発を合わせて、13のサブプロジェクトを同時進行させた(表1)。
アビームコンサルティングやインサイト、コマース21、住商情報システムといった複数ベンダーが参画する大がかりなプロジェクトだが、GDOはこれを1年半という短期間でやり遂げた。なぜうまくいったのか。説明会で、プロジェクトマネジャーを務めたシステム部長の渡邊信之氏が明らかにした。
グランドデザイン策定が決め手
渡邊氏がまず挙げたのは、プロジェクトの運営体制である。PMO機能を果たすG10推進チームを設置したほか、各サブプロジェクトのオーナーやマネジャーには業務部門の責任者を選任。ユーザーのコミットを引き出した。役員をメンバーとするステアリングコミッティに対しては、プロジェクトの進捗や課題について頻繁に報告した。
プロジェクト初期の段階で、新システムの姿を描き切ったことも大きかった。具体的には、要件定義前の構想段階で「グランドデザイン」を作成した。これは、社内にある全システムを、機能レベルでマッピング。データの連携関係を洗い出して明確化したもの。実体は巨大な1枚の図で、いわばプロジェクトの「地図」である(図1)。
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