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[特別対談]

1億件の取引明細データを蓄積可能に「現場が見える」経営基盤の意義

2011年11月14日(月)

1997年に発売以来、約1800サイトの導入実績を誇る国産ERP「GLOVIA SUMMIT」。10月末には、新たな機能を備えた最新版が市場にリリースされる。グローバル化の加速を背景に、常に変化する経営環境にいかに素早く追随するかが企業にとっての大きな課題だ。新GLOVIA SUMMITは、どのような解を示そうとしているのか─。GLOVIAの開発に一貫して携わってきた(株)富士通マーケティングの渡辺雅彦・常務理事に、経営とIT活用について練達する中澤 進・日本CFO協会主任研究員が、新製品のポイントを聞く。(文中敬称略)

今月のゲスト

渡辺 雅彦 氏
渡辺 雅彦 氏
株式会社 富士通マーケティング ソリューション事業本部 副本部長 常務理事
1981年、富士通に入社。一貫して会計、人事給与を中心とした共通業務パッケージシステムの開発、適用支援に従事。1997年、富士通製ERPとしてGLOVIA SUMMITを開発。以降、GLOVIA smart、GLOVIA smartきららと幅広いレンジに展開を図る。2010年、富士通ビジネスシステム(当時)への中堅商品事業の移管に伴い異動し、開発を継続。2011年5月に現職に就任。

インタビュアー

中澤 進 氏
中澤 進 氏
日本CFO協会主任研究委員
1971年、日本IBM入社。経理・財務部門の業務改革、管理会計、内部統制分野でのコンサルティング及び会計システムプロジェクトの実績多数。2002年、IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社取締役に就任。2007年、中澤会計情報システム研究所を設立。同年よりアロウズコンサルティング顧問に就任。日本CFO協会主任研究委員、早稲田大学WBS研究センター特別研究員も兼ねる。


中澤:国産ERPとして市場を牽引してきたGLOVIA SUMMITの久しぶりのバージョアップですね。まず機能強化のポイントについて説明頂けますか。

渡辺:今回の新GLOVIA SUMMITは、「グループ経営情報統合ソリューション」をキーコンセプトとして、3製品から構成しています。まず、会計を担うのが「GLOVIA SUMMIT GM」。“G”、つまりはGroup、Global、Governanceの視点でのマネジメントを具現化するものです。それに加えて固定資産管理ソリューションの「同 FM」、経営の可視化を図る「同MI」というラインナップです。

経理業務の支援に重きが置かれた従来の会計システムでは、何らかの形で「サマライズされたデータ」を扱うのが一般的でした。ただし、これだと現場でどのようなビジネスが繰り広げられているかという実態が把握しきれない。経営判断に役立つシステムには、個々の取引の明細情報が格納されるべきとの思いがありました。

そこで、1999年に販売開始したGLOVIA/SUMMIT V2では月間500万件の明細データを蓄積・処理できるようにし、さらに今回の新バージョンではこれを「1億」にまで拡張したんです。

取引の事実を示す“生データ“を時系列にひたすら蓄積していく。そうすれば財務会計、管理会計のどちらでも必要に応じたデータを出力できます。IFRS対応、日本基準対応についても同じこと。経営者も現場も、何らかの意思決定に必要なデータを即座に参照できるメリットははかりしれません。

大量のデータでもインメモリーで高速処理

中澤:理にかなったアプローチですが、それだけ大量のデータをシステムで扱うとなると処理の負荷も高そうですね。

渡辺:最新版では、独自のインメモリーアーキテクチャを採用して高速化を図っています。I/Oスピードの速いメモリー上にデータを展開すれば、これまで数十分かかったような処理も数秒で完了できます。だからといって、特別なアプライアンス製品でもなく、特殊なメモリーやハードウエアも必要ありません。ごく標準のWindows ServerやSolaris上で稼働しますし、ストレージにしても富士通の標準的なETERNUSで十分です。

中澤:企業グループ全体の管理という観点では、各社独自のシステムや仕訳ルールがあって一筋縄にはいかないのが一般的のような気がします。

渡辺:標準搭載する「仕訳生成エンジン」が効率化の一助となります。これは販売・物流システムや子会社の会計システムとGLOVIA SUMMIT GMとの連携などを支援するもので、システムごとに違う勘定科目やデータ項目/コードといったものを変換する役割を担います。

例えばグループ間取引においては、1社の取引入力で相手会社の仕訳を同時に生成する機能を備えます。結果、データ照合や差異分析の手間が省けて、早期の決算処理対応が可能になります。

中澤:なるほど。これはIFRSの基本である「グループ連結への対応」に通じるものですね。IFRS対応を標榜する上では、税法・商習慣、固定資産管理など日本基準との差異が大きい領域に対して何らかの工夫が必要に思いますが、いかがですか。

渡辺:GLOVIA SUMMITには複数仕訳の概念があって、日本の会計基準とIFRS準拠のデータの双方を同時に生成できるんです。複数帳簿を作成する労力は大幅に削減できますね。国産ERPなので税法などを含めて日本基準への対応がきちんと実装できており、それゆえ国際基準との差異も正確に捉えられるという側面があります。

固定資産管理については、IFRSが求める要件が煩雑で日本に馴染みが薄く“労力の割には報われない“などと言われています。この分野を対象に「FM」をラインナップしたわけですが、富士通自身がユーザーとして実証を重ねてきており、機能には磨きがかかっています。

中澤:会計データの正確性を確保するといった「静的」な使い方だけではなく、データを蓄積・連携させる先でもっと「動的」なメリットを何か打ち出していますか。

渡辺:固定的な予算/実績の管理ではなく、変化に応じて予算を見直す「ローリングフォーキャスト」を実現できることを訴求しています。月次〜四半期といった短いスパンで計画を見直し、環境変化に柔軟に対応していくことが狙いです。ここには富士通の経理部の社内実践によるノウハウが詰め込まれており、経験で培った知見を生かしたコンサルも提供できます。

経営や現場など、それぞれの立場で経営指標を「見える化」する上では、可視化ソリューションの「GLOVIA SUMMIT MI」が役立ちます。

企業ガバナンスの観点でも有効なアプローチ

中澤:日本企業によるERP導入は、業務改革も含めて取り組むのが主流ですが、失敗例も少なくありません。欧米流のスタイルにとらわれず、日本企業なりの方法論を探る必要性がありそうですね。

渡辺:海外展開を図る日本企業の多くが、ITガバナンスで様々な悩みを抱えています。欧米企業のように業務を標準化して、全世界で統一するといった施策がなかなか通用しない。現地の裁量を尊重する結果、統一のERPといっても、多様な使われ方が混在するといった例が散見されます。

その点、異なるシステムの取引明細データを集約して、“会計のデータウェアハウス”を整備するGLOVIA SUMMITのアプローチは、1つの現実解として有効だと思います。ビジネスの現場で誤りなくデータを入力してもらえばよいので、あえてERPやマスターデータを統合することに労力をかけなくても迅速で正確な経営判断を支える基盤として機能します。

中澤:最後に販売面ではどのような施策を考えていますか。新GLOVIA SUMMITのターゲット層には、海外製ERPをすでに導入している企業も多い。

渡辺:ERPシステムのリプレースを狙うのではなく、まずは製品の特徴を理解してもらって徐々に利用範囲を拡大していくのが基本です。お客様との関係深化を通じて、使えば使うほど、その良さが分かってもらえるというストーリーにしたいですね。

富士通ならびにSE子会社の、1140人に上るGLOVIA認定技術者をバックに、富士通・富士通マーケティングが販売主体となって2年間で700サイトに導入することが当面の目標です。

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