CA Technologiesは2012年10月17日、システム間の連携テストを効率化する「CA LISA」を日本で出荷開始する。
新規システムのリリース前に欠かせない他システムとの連携テストは、時間の制約を強く受ける。連携先がすでに稼働中のシステムの場合、業務に支障が出ないよう夜間や休日を利用しなければならない。一方、開発がまだ終わっていないシステムであれば、その完成までテストを実施できない。
こうした制約を回避するためには従来、テスト用のインフラやソフトウェアライセンスを本番環境とは別に購入したり、スタブ(テストのための代用プログラム)をゼロから手組みする必要があった。 CA LISAは、接続先システムの振る舞いをそっくり“模倣”することにより、こうした手間やコストを削減するツールである。
「テストに必要なのは、連携先システムからの応答。インフラやプログラムではない」(ソリューション技術本部ソリューションアーキテクト部の西野寛史カスタマーソリューションアーキテクト)。
具体的には、テスト対象となるシステムと連携先システムの間で発生するトラフィックをキャプチャし、リクエスト/レスポンスのパターンを生成。このパターンに従い、テスト対象システムからのリクエストに対して連携先システムを模したレスポンスを返す。
リクエストに含まれる氏名や金額といった変数の値にひもづけて、その都度レスポンスを書き換える機能も備える。パターンを編集することにより、条件分岐やエラーケースを定義することもできる。HTTPやSOAP、TCP、MQ、DRDAといった通信プロトコルをサポート。Webサービスやデータベースシステム、メインフ レームシステムの振る舞いを模倣できる。
連携先システムが未完成でトラフィックをキャプチャできない場合は、サーバーのトラフィックログや仕様書などをGUIから入力することにより、静的にリクエスト/レスポンスパターンを生成できる。例えば、連携先システムがWebサービスの場合、処理内容やメッセージフォーマット、通信プロトコルを記述したWSDL(Web Service Definition Language)文書を読み込むことにより、リクエスト/レスポンスのパターンを1分弱で生成できる。
CA LISAの価格は4680万円から。2013年3月31日までのキャンペーン期間中は2925万円から。直販のほか、パートナー経由で販売する。同製品は2011年6月に買収したInteractive TKOの技術をベースにしている。海外ではすでに販売中で、欧米企業を中心に約150社が導入済み。
「導入企業では開発期間を3割以上、インフラコストを1000万~1億ドル削減するといった効果が出ている」(カスタマー&パートナーソリューション事業部サービス・バーチャライゼーション部の佐藤輝幸担当部長)という。