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IIJグループがチャイナテレコムと提携、中国国内向けにクラウドの「GIO」を展開

2013年1月24日(木)IT Leaders編集部

中国に進出する(した)日本企業にとって、システムやネットワークのインフラ構築、運用は悩みの種だろう。日本にあるインフラをインターネット経由で利用しようとすると、遅延の問題が生じる。実は中国企業にとっても国内で生じる遅延が悩みだという。中国における「インターネット南北問題」と呼ばれるものがそれで、中国の2大通信会社をまたがる接続が時間帯によって逼迫、遅延が起きるという。

そんな悩みを解消するべく、IIJとIIJグローバルソリューションズは中国最大手の通信会社の1社である中国電信(チャイナテレコム)と提携。1月21日、南北問題を解消する仕組みを持った企業向けのクラウドサービス「IIJ GIO CHINAサービス」を、中国国内で提供開始した。

提供するのは、日本でIIJが展開する「GIO」におけるコンポーネントサービスと同等。特徴は、インターネットの南北問題を解消する仕組みを用意したこと。南北問題が生じるのは、中国の2大通信会社であるチャイナテレコム(CT)とチャイナユニコム(CU)間の相互接続回線が時間帯によって逼迫し、一部の通信が海外回りになるなどが原因。そこでIIJはクラウドの展開にあたって、送信元のクライアントがCTとCUのどちらにつながっているかを自動判別する公開サーバ-を用意。遅延が小さいIPAアドレスを選んで通信する独自の仕掛けを作ったという。

GIO CHINAサービスのコンポーネントサービスを少し詳しく書くと、「Vシリーズ」と呼ぶ仮想サーバーと「Xシリーズ」と呼ぶ専用サーバーがあり、VシリーズはCPU性能指標が1でメモリー1GBが最少構成。それぞれ16、16GBまでの5段階を用意する(ディスクは共通で30GB)。XシリーズはCPU性能指標が24、メモリー48GB、ディスクは300GBという構成だ。OSはCentOSとWidnows 2008R2(2月提供予定)。ただし「これは基本メニューであり、顧客の要望に応じてカスタマイズ可能。システムインテグレーション込みのサービスも提供する。中国でのサービス開始にあたって中国語、日本語、英語のサポートセンターも用意した」(同社)。

価格は日本国内と同等にした。例えばVシリーズの最小構成では350元(約5000円/月)、Xシリーズは9200元。「中国で日本と同じ価格」というと高いのではと思うが、IIJは「日本でのGIOの価格はAWSとも勝負できる。実際、Lojioという、アーティストのファンサイトを運営する中国の現地企業が利用を決めた。日本企業、欧米企業、中国企業のすべてを顧客にしたい」という。

なお実際にはチャイナテレコムがユーザーと契約、代金回収にあたり、IIJグループのIIJグローバルソリューションズチャイナがチャイナテレコムから事業免許と設備を供与されて、ユーザーにサービスを提供する「3社契約」の体制になる。ややこしいが、日本企業が中国でクラウド事業を展開するには、このような形態(提携)が必要という。IIJはGIO CHINAサービスの開始をきっかけに今後、東南アジアや欧州などにおけるクラウドサービスの展開を加速する考えだ。

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