実際にS&OP(Sales & Operations Planning:販売・業務遂行計画)プロジェクトを進める上で何に気をつければよいのか。開始前/遂行中に意識すべき視点と、クニエが考える具体的なプロジェクトのアプローチ例を紹介する。
S&OP(Sales & Operations Planning:販売・業務遂行計画)を実際に進めるにあたり、どんな点に注意すればよいのか。考え方や目指すべき方向を関連部署間で共有/明確化してスタートしたとしても、道のりを間違えるとゴールするのは難しくなる。ここでは当社が実際に取り組んだプロジェクトを踏まえ、重要なポイントを解説する。考え方としては、SCMの導入/構築プロジェクトに近いが、ここに経営層の視点を加味することが必要である。
7つの軸に基づきプロジェクトを実行
S&OPプロジェクトの成否を左右する要素は7つある(図1)。すべての要素が不可欠で、1つでも検討範疇に含まれないとプロジェクトの達成はないと考えるべきである。
上下戦略
シェア拡大を優先するのか、ニッチな市場を確実に獲得するのか、といった事業戦略を踏まえた上で需給戦略を練る。これをもとに需給調整では、在庫の極小化を優先するのか、本社で一元的にコントロールすることを目指すのか、利益を確保した需給計画を目指すのかなどを検討する。経営レベルと現場レベルの整合を取った戦略を掲げることが必要である。
プロセス
S&OPに関連する業務をどのタイミング、サイクル、順序で進めるのかを定義する。日次や週次、月次といった間隔を考慮するほか、予算と実績はいつ比較するのかといった経営と現場の整合を確認するタイミングまで明確化する。
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