米Red Hat日本法人が2013年11月13日、クラウド環境を管理するための製品「Red Hat CloudForms 3.0」の提供を開始した。IaaS(Infrastructure as a Service)構築用ソフト群である「OpenStack」をはじめ、Amazon Web Services(AWS)など複数のクラウドを管理する。Linuxディストリビュータを起点とするRed Hatはどこへ向かうのか。OSS(オープンソース・ソフト)コミュニティの動きを含め、来日した米本社のジェームス・ホワイトハースト会長兼CEO(Chief Executive Officer:最高経営責任者)に聞いた。(聞き手は志度 昌宏=IT Leaders編集部)
![写真:米Red Hatのジェームス・ホワイトハースト会長兼CEO](/mwimgs/0/0/-/img_004d5cb47e708dd198741c058f116b4b79800.jpg)
ジェームス・ホワイトハースト会長兼CEO
――クラウド分野でも「OpenStack」や「Cloud Foundry」などOSS(オープンソース・ソフト)の勢いが増している。商業ソフトを上回るようになった契機はなにか。
「Web2.0カンパニー」と呼ばれる企業が勃興してきたことだ。具体的には、GoogleやAmazon、Facebook、Linked In、Twitterなどである。これらの巨大企業は、大量のエンジニアを抱え、ビジネス拡大に向けた自らの経営課題を自ら解決しようと取り組んでいる。彼らの取り組みがOSSコミュニティにフィードバックされることで、商用ソフトベンダーの対応を超える動きが起こっている。
例えば、大きなテーマであるビッグデータにしても、Web2.0カンパニーが扱うデータ量は、従来型の一般企業のそれを上回っており、常に新たな課題に直面している。その解決に必要な機能の分析活動がOSSプロジェクトとして始動する。分散処理の「Hadoop」や「Casandra」などが一例だ。
従来型企業を主要顧客に持つ商用ソフトベンダーは、こうした新ニーズの存在に気づくのが、どうしても遅くなる。たとえニーズに気づいても、自社のソリューションにしようとしてしまうため、実現が遅れる。完成時には、ニーズに合致していないこともある。一般に商業ソフトベンダーは、技術の進展方向を決めたら、それを営業が売り続けるため方向転換が難しい。
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