第1回では、「本人認証」を歴史と法的側面から、その社会的意義について考察しました。今回は「本人認証」をインターネット時代の社会的事象としてとらえ、それに関わる人間系の諸問題を考えてみましょう。
サイバー空間における「本人認証」の役割は、なりすましを防ぐために本人の同一性(アイデンティティ)を確認することです。対象が人間であるが故に、単にITの問題だけでなく、人間系の諸問題を考慮しなければなりません。
本人認証における人間系の諸問題としては、(1)自己の同一性(2)人間の尊厳(3)本人拒否と他人受容の責任(4)否認の否定と肯定の是認(5)ユーザー権限(6)モバイルコンピューティング(携帯端末)(7)粗暴犯(8)情報弱者などが挙げられます。
(1)自己の同一性
人間の自己同一性の確認は、人と人との間に存在するものとして、自己についての「記憶の継続性の認識」なしには成立し得ません。たとえ、一切の持ち物を失い、身体の一部を損傷したり顔の形や声が変わってしまっても、私自身について、「この私」と周囲の人達とが同一で継続した記憶を共有するならば、「この私」は紛れもなく「その私」なのだと断言できるのです(図1)。

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