今や、モバイル活用は企業ITの最重要テーマの1つ。しかし、モバイルアプリの開発には全く土地勘がないという読者も多いのでは。分からないことは先達に尋ねるのが一番だ。本連載では、ニフティ、はてな、GREEでコンシューマ向けサービス開発の最前線に立ってきた伊藤直也氏に、モバイルアプリ開発の定石を聞く。(緒方 啓吾=IT Leaders編集部/監修:伊藤直也)
そうならないために、早期にユーザーの声を取り入れる
Q5:モバイルアプリはどんな風に開発するのか?
A:モバイルアプリ開発の定石は、「リーンスタートアップ」である。これは、新しい製品やサービスを開発する手法の1つ。最初からあまり機能を作りこまず、必要最小限のものが出来上がったらリリースする。なるべく早い段階でユーザーに使ってもらうのが目的だ。ユーザーからのフィードバックを取り込んで、機能を追加していく。
ユーザーが100%満足できるアプリを、最初からリリースすることは現実的に不可能だ。開発者はユーザーを完璧に理解することはできないし、ユーザーが要望を完璧に言語化することもできない。モバイルアプリは歴史が浅いこともあって、これと言った正解もない。
実際のモノを目の前にして、「ここは良い」「ここはダメ」と改良を加えながら、あるべき姿に近づけていくしかない。言い換えれば、作り手の思い込みによって、ニーズに合わないものを作らないようにする。リーンスタートアップは、最短経路でユーザーを満足させるための知恵である。
こうしたアプローチを支えるのが、アジャイル開発である。1~4週間の短いサイクルで、開発、テスト、リリースを繰り返す。期間内でリリースできる単位にアプリの機能を細かく分割。優先順位の高いものから実装する。
アジャイル開発の長所は、プロジェクトの途中で、アプリの完成像を柔軟に変更できる点だ。毎回、開発に入る前に、どの機能を開発するか決める。新しい要件を繰り上げてもよい。予定していた機能の実装をやめても構わない。ユーザーの反応や市場の状況を見ながらアプリを開発できる。
このように、モバイルアプリの開発プロセスは、ウォーターフォール型の業務システム開発とは大きく異なる。以下、ざっくりと開発の流れをみていこう。
- なぜ、iOSとAndroidで、アプリのデザインが同じではいけないのか?:第7回(2014/03/31)
- モバイルアプリの一般的なシステム構成は?:第6回(2014/03/28)
- スマホアプリはどんな開発会社に発注すべきか?:第4回(2014/03/26)
- 自社のモバイルアプリがどうにも使いづらいのはなぜ?:第3回(2014/03/25)
- やはり、モバイルアプリはデザインが命?:第2回(2014/03/24)
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