今や、モバイル活用は企業ITの最重要テーマの1つ。しかし、モバイルアプリの開発には全く土地勘がないという読者も多いのでは。分からないことは先達に尋ねるのが一番だ。本連載では、ニフティ、はてな、GREEでコンシューマ向けサービス開発の最前線に立ってきた伊藤直也氏に、モバイルアプリ開発の定石を聞く。 (緒方 啓吾=IT Leaders編集部/監修:伊藤直也)

Q3:今一つ、アプリが使いづらい。デザインは洗練されているのだが・・・
A:ユースケースの設計が適切でない可能性がある。ユースケースとは、利用シーンを明確化すること。自分たちが作るアプリは、「誰が」「どんな時に」「どんな目的」で利用するのか。ユーザーの目的を達成するために、アプリがどんな機能を備えるべきかを考える。
ユースケースが曖昧だったり、ユーザーの実態とかけ離れていたりすると、いかにグラフィックデザインや、UIデザインが洗練されていても、”使いどころに欠ける“アプリになってしまう。実際に、そうしたアプリは珍しくない。UIやグラフィックデザインと違って目に見えないが、アプリの成否を左右する重要な要素である。
モバイルアプリのユースケースを設計する上で、特に注意すべきは、PCとモバイルが全く違うデバイスであるという点だ。ハードウェアの性質や、制約が異なる。利用シーンや、やりたいことも違う。単純にPC向けアプリケーションの画面を、モバイル向けに書き換えるだけでは、使いやすいアプリにはならない。
会員登録(無料)が必要です
- 1
- 2
- 次へ >
- 【第7回】なぜ、iOSとAndroidで、アプリのデザインが同じではいけないのか?(2014/03/31)
- 【第6回】モバイルアプリの一般的なシステム構成は?(2014/03/28)
- 【第5回】モバイルアプリと業務システム、開発プロセスはどう違う?(2014/03/27)
- 【第4回】スマホアプリはどんな開発会社に発注すべきか?(2014/03/26)
- 【第2回】やはり、モバイルアプリはデザインが命?(2014/03/24)