NTTドコモビジネス(2025年7月にNTTコミュニケーションズから社名変更)は2025年9月16日、CX(顧客体験)AIサービス群「docomo business ANCAR」を発表した。2025年12月から順次提供する。店舗やコンタクトセンターなど顧客接点における体験をAIで改善する。AI-IVR(音声自動応答)システムの「Routing」の場合、顧客からの音声通話に生成AIが対応し、会話内容から適切な電話窓口へと振り分ける。
NTTドコモビジネスの「docomo business ANCAR」は、店舗やコンタクトセンターなど企業の顧客接点における体験をAIで改善するためのクラウドサービス群である(図1)。

拡大画像表示
IVR(音声自動応答)システムの「Routing」の場合、顧客からの音声通話に生成AIが対応し、会話内容から適切な電話窓口へと振り分ける(図2)。
一般的なIVRは、顧客に音声で選択肢を示し、それへの返答(選択肢の番号プッシュ)を基に分岐型でその後の選択肢を示して適した窓口に導く。Routingでは、生成AIが人間のオペレーターのように顧客と対話し、その内容から適した窓口に導く。なお、Routingを有効にするには、ユーザー企業が振り分けに関する情報(振り分け先の部署/担当者やキーワードなど)をNTTドコモビジネスに事前に提出する。その設定の後、5~10営業日でサービスを利用できる。

拡大画像表示
表1は、docomo business ANCARのラインアップである。顧客体験を高めるサービスには、Routingのほか、チャットボット「Chat」、ボイスボット「Voice」がある。従業員体験を高めるサービスには、レコーダー「Rec」、文字起こし「Convert」、要約「Summarize」がある。ほかに、統計・分析「Analyze」、VoC解析「Insight」を用意している。
docomo business ANCARの機能 | 提供予定時期 | |
---|---|---|
顧客体験(CX)の向上、NPS改善(適切な案内、24時間応対) | ||
Routing | 通話音声をAIで認識し、適切なあて先に自動で振り分ける | 2026年1~3月 |
Chat | チャットボットによるQA対応 | 2026年1~3月 |
Voice | ボイスボットによる自動応答 | 2026年7~9月 |
従業員体験(EX)の向上(カスタマーハラスメント対策、業務効率化) | ||
Rec | 通話内容(音声)の録音・蓄積 | 2025年12月 |
Convert | 通話録音データのテキスト化 | 2025年12月 |
Summarize | テキスト化した通話録音データの要約 | 2026年4~6月 |
顧客体験の可視化 | ||
Analyze | 通話に関する各種データの可視化・分析、業種別ベンチマークなど独自データの提供 | 2026年1~3月 |
Insight | 顧客応対内容(テキスト化した通話内容)の詳細分析 | 2026年7~9月 |