[事例ニュース]

SBIホールディングス、グループ全体のランサムウェア対策でマイクロセグメンテーションを導入

可視化と分離を中核とした防御戦略でゼロトラスト基盤構築を推進

2025年12月19日(金)IT Leaders編集部、日川 佳三

SBIホールディングスは2025年12月19日、グループ全体のランサムウェア対策と事業レジリエンス強化の目的で、アカマイ・テクノロジーズのマイクロセグメンテーションソフトウェア「Akamai Guardicore Segmentation」を導入したと発表した。エンドポイント間のネットワークアクセスを制御して、数千台の端末と数百台のサーバーをサイバー攻撃から守る。可視化と分離を中核としたゼロトラスト基盤構築の一環で取り組んだ。

 SBIホールディングスは、銀行・証券・保険などの金融サービスに加え、資産運用、ベンチャーキャピタル、暗号資産、バイオ・ヘルスケア、メディアなどの事業を展開し、600社を超える連結子会社と1万8000人を超える従業員を擁している。IT環境は複雑で、複数のパブリッククラウド(AWS/Azure)、オンプレミスのデータセンター、レガシーシステムが混在し、グループ全体で数千台の端末と数百台のサーバーが稼働している。

図1:SBIホールディングスがマイクロセグメンテーションを導入したシステム構成。エンドポイントにエージェントをインストールすることで、エンドポイント間のネットワークアクセスを制御する(出典:アカマイ・テクノロジーズ)
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 同社の事業環境を脅かすサイバーセキュリティリスクを次のように説明している。「国内では企業の事業継続を脅かすランサムウェア被害が深刻化し、製造、物流、金融など社会インフラを支える業界でも相次いでサービス停止や出荷停止に陥る事案が発生している。特に、サプライチェーンを経由した侵入や正規の管理ツールを悪用する「Living off the Land(LotL)」型攻撃など脅威は進化しており、従来型の対策では検知・防御が困難になっている」。

 このように高度化・複雑化する脅威への対策として、SBIホールディングスは、可視化と分離を中核とした防御戦略に舵を切り、グループ全体のゼロトラスト基盤構築を推進している。

 今回、ゼロトラスト基盤構築の一環で、アカマイ・テクノロジーズの「Akamai Guardicore Segmentation(AGS)」を採用。サーバーなどのエンドポイント単位でネットワークアクセスを制御するマイクロセグメンテーションの仕組みを導入した(図1関連記事エンドポイント単位でアクセスを制御するマイクロセグメンテーションツール「Akamai Guardicore Segmentation」)。

 導入効果として同社は、これまで意図していなかった通信経路が確認できたことを挙げる。また、IPアドレスではなく環境やアプリケーションなど通信の内容に応じたラベルでポリシーを管理できる仕組みにより、IPアドレスが動的に変化するクラウド環境でも一貫したポリシーを維持できることを評価している。事前構築済みのテンプレートも役立ったという。マシンラーニング(機械学習)で攻撃の兆候を検出可能な点もメリットとして挙げている。

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