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Intercloud、ACI、DCaaS、IoE―シスコが次世代ICTビジョンをまとめて説明

2014年10月3日(金)河原 潤(IT Leaders編集部)

シスコシステムズの日本法人は2014年10月2日、都内で2015年度の事業戦略説明会を開き、代表執行役員社長の平井康文氏らがビジョンや注力分野、日本での事業戦略、新組織体制などを紹介した。以下、説明会で語られた、シスコが描く次世代ICTを形成するIntercloud、ACI、DCaaS、IoEの概要と取り組みの進捗についてまとめた。

「ACI」と「DCaaS」で次世代データセンターを提供

 「SDN(Software-Defined Networking)を超えるアーキテクチャ」(平井氏)と標榜する「Cisco ACI(Applicaiton Centric Infrastructure)」は2013年11月の発表以来、Intercloudと同様エコシステムの拡大や、対応Cisco UCSサーバー製品の投入などが取り組まれてきた(参考記事:Cisco ACIはSDNのメインストリームに駆け上がれるか)。ACIによるデータセンター全体レベルでのプログラマブルな機器の制御は、2009年に大手最後発のかたちで投入したUCSサーバーの、他社製サーバーに対する差別化要素でもある。そこも同社がACIに力を注ぐ理由の1つと考えられる。

Cisco ACIのネットワーク構成イメージ(出典:米シスコシステムズ)
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 ACIをはじめとする次世代データセンター/ネットワークへの取り組みを、シスコはDCaaS(Data Center as a Service)と位置づけてさらなる注力を表明している。「強固なセキュリティが確保された最新のデータセンターを、顧客は資産を持たずにOPEX(Operating Expense:運用支出)で利用できる。これにより、削減された機器コストを戦略投資に振り向けることができる」と平井氏はメリットを強調し、顧客である野村ホールディングスと共同で行っている、事業モデルの確立に向けた取り組みを紹介した。

すべてがインターネットにつながる「IoE」の進捗

 シスコのIoTビジョンである「IoE(Internet of Everything:すべてのインターネット)」についても、イニシアチブの進捗が説明された。同社では、IoEが向こう10年間で日本国内にもたらす経済効果を76兆円と見積もっている。平井氏は「今後、最も導入が進んでいくと考えられるのがスマートファクトリーの分野である」と述べ、施策強化の一環として、この領域に取り組む日本のベンチャー企業、smart-FOAへの出資を発表した。これは同社インベストメント事業の投資第1号となるものだ。

 smart-FOAは、製造の現場で発生するイベントデータにコンテキストや説明のデータを付加した「情報短冊」を実現し、品質管理や生産調整・予測などに活用するという独自のFOA(Flow Oriented Approach)に取り組んでいる。シスコとは、2014年2月に発表された、IoTで生成される膨大なデータの処理で負荷分散を図るためのアーキテクチャ「フォグコンピューティング(Fog Computing)」のパートナーとして緊密な関係にあった企業だ(参考記事:シスコ「フォグ・コンピューティング」のための「IOx」を日本市場に投入へ)。

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