[IT人材育成[戦略と実践]]

IT人材育成のキラーソリューション「iコンピテンシ・ディクショナリ」活用ガイド(その8)

IT人材育成[戦略と実践](19)

2014年10月8日(水)高橋 秀典(スキルスタンダード研究所 代表取締役)

今日の情報システムは企業を支え、ビジネスを戦略的に遂行するための武器でもあります。その構築・実現を担うIT人材の育成は、あらゆる企業にとっての最重要課題にほかなりません。本連載では、企業のITリーダー=IT戦略・情報システム責任者が、いかにして自組織のIT人材育成・活用を推し進めていけばよいのかを掘り下げていきます。

 CCSF(共通キャリア・スキルフレームワーク:Common Career Skill Framework)の全面刷新を機に、その考え方や使い方について解説していく集中連載の第8回です。前回まで、CCSFを全面刷新した新しいスキル標準を「iコンピテンシ・ディクショナリ」(iCD)の概要や構造について説明しました。「タスクディクショナリ」と「スキルディクショナリ」で構成されたiCDが、シンプルかつ高い柔軟性を持つものであることをお分かりいただけたと思います。今回からは、いよいよiCDを使いこなす方法を説明していきます。全回を通してお読みいただくことで、iCDが企業にもたらす価値を理解していただければと思います。

iCD活用の概観

 iCDの前バージョンであるCCSFは、実際、企業での活用が主体となっていました。ITSS(ITスキル標準)など既存のスキル標準を基に構築されていたので、それぞれのスキル標準へリバースするような使い方もでき、業界標準としての活用が可能になっていました。しかしながら、そのような活用のしかたを小難しく感じる方が多く、よりわかりやすく示してほしいという声も多く聞かれました。また、タスクと教育プログラムを結びつけることについても十分に理解が進まず、浸透しづらいという状況でした。

 先回までの概要や構造の説明のとおり、iCDは、CCSFと基本的な考え方は同じなのですが、格段に品質が上がっています。タスクとスキルを独立して持たせ、ゆるやかな連携をとることで、教育プログラムや資格などとの結びつけを、さらに分かりやすく示せるようになりました。また、iCDをデータベースとして位置づけ、各種委員会での業界標準の策定や公表にも威力を発揮することになります。

 iCDの活用については、大きく(1)企業・団体・組織での活用、(2)個人での活用、(3)教育機関での活用の3つに分類することができます。それぞれの活用の内容を以下に示します。

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