今日の情報システムは企業を支え、ビジネスを戦略的に遂行するための武器でもあります。その構築・実現を担うIT人材の育成は、あらゆる企業にとっての最重要課題にほかなりません。本連載では、企業のITリーダー=IT戦略・情報システム責任者が、いかにして自組織のIT人材育成・活用を推し進めていけばよいのかを掘り下げていきます。
CCSF(共通キャリア・スキルフレームワーク:Common Career Skill Framework)の全面刷新を機に、その考え方や使い方について解説していく集中連載の第7回です。IPAは7月31日、CCSFを全面刷新した新しいスキル標準を「iコンピテンシ・ディクショナリ」の正式名称で公表しました。本稿では「iCD」の略称で呼ぶことにします。
前回は、iCDのタスクディクショナリの構造について説明しました。今回はスキルディクショナリの構造について解説します。全回を通してお読みいただくことで、iCDが企業にもたらす価値を理解していただければと思います。
スキルディクショナリ/IT専門スキルの構造
iCDのスキルディクショナリは、IT専門スキル群とITヒューマンスキルの定義の2つで構成されています。IT専門スキルは、タスクを支える能力(スキルや知識)を体系化したもので、スキル3階層と知識項目から構成されています。特徴は次のとおりです。
(1)IT業務に必要なスキルと知識を、主要なBOKに基づき網羅的に構造化して提示
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(2)大分類はテクノロジ、メソドロジ、関連業務、ITヒューマンスキル、ビジネスその他(ユーザー領域)の5分類から構成
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(3)整理した内容を、次の各BOK(Body of Knowledge:知識体系)を参照し、検証作業を実施
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IT専門スキル群では、知識を含め、かなりの数の定義がされています。そのまま使おうとすると大変複雑で扱いにくいものになることが考えられます。次回以降で解説するiCDの活用方法の中でも述べていきますが、企業でのスキル標準の活用においてはタスクが中心であり、常に意識して検討を進める必要があります。「あるべき姿をタスクで定義し、必要なスキルはそのあとで確認しながら必要なものだけを使う」――このことを徹底することが重要です。
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IT人材 / 人材育成 / iCD / CCSF / iコンピテンシ ディクショナリ