第1回では原価管理のニーズが高まっている背景についてふれた。第3回では原価計算の具体的な手法を説明する上での前提知識として、原価の構成要素や分類について解説する。
突然だが、皆さんは製品の原価を計算できるだろうか。「当たり前だろう」と憤慨された読者は、原価管理について相応のキャリアをお持ちのはず。むしろ、「実は…」と思われた読者は多いのでは。
原価計算システムの普及によって、原価管理のプロセスやロジックがブラックボックス化するケースが増えた。手計算する場合と違って、システムはデータを投入さえすれば結果が出てくるからだ。
こうした状況を企業側も憂慮している。例えば、原価管理システムの導入プロジェクトをベテランから若手へのナレッジトランスファーの場として活用する経営層は珍しくない 。全社的な原価意識の向上、原価情報の活用文化の醸成をプロジェクトの効果として期待するケースも散見される。
原価管理で効果を上げるためには、計算のプロセスやロジックに対する理解が欠かせない。今後、2回にわたって原価計算の具体的な手法を解説する。第3回(=今回)では、原価計算の基礎となる「原価費目」について解説する。第4回では、具体的な原価計算の手法を取り上げる。原価計算は、原価費目の理解なくして語れない。しっかりと、把握していただきたい。
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【次ページ】原価費目は10~20程度にまとめる
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