ガートナー ジャパンは2015年2月24日、ERPアプリケーション/システムのモバイル対応に関するユーザー調査結果を発表した。調査では、ERPへのアクセス手段として用いる端末の種類や、モバイルから利用したい業務などを尋ねている。
今回、ガートナーがERPへアクセスするのに用いるモバイルの利用状況を尋ねた結果が図1である。「導入/利用中」とした企業の割合は、「ノートPC」が26.3%で最も高く、「タブレット端末」(4.4%)、「携帯電話」(2.7%)、「スマートフォン」(2.4%)と続いている。
一方、「新規導入予定(3年以内)」および「関心あり」と回答した企業では、タブレット端末が60.7%を占めた。また、新規導入予定(3年以内)と答えた割合だけを見ると、スマートフォン(2.0%)はノートPC(4.4%)より低いものの、関心ありと答えた割合は、タブレット(55.6%)に次ぐ高い割合を示した。
タブレットが注目されている要因についてガートナーは、「スマートフォンと違って大画面である点が、複数の情報を参照しながら入力するという業務の特性に合っているため」と分析する。特に、販売管理業務は営業担当者のニーズを満たす手段として活用が進むと同社では見ている。また、スマートフォンも大画面化が進んでいることから、採用する動きが高まると考察する。
実際、ガートナーがモバイル機器から利用中/利用したいERPの業務用途を聞いたところ、販売管理と回答した企業の割合が最も高かった。販売管理と答えた企業に対し、さらにモバイルの利用状況を聞くと、新規導入予定(3年以内)と関心ありとした企業が最も利用するのがタブレット端末であった。
調査では、ERPのモバイル対応に関してユーザーが抱く期待と懸念についても問うている。企業が期待するのは「社外/屋外利用」が56.4%で最も高く、次いで「安価な導入/利用コスト」(51.0%)であった。一方の懸念事項は、1位が「セキュリティ」(54.5%)、2位が「導入/利用コスト」(48.4%)という結果になった。
ガートナーは、「外出先からモバイルを使ってERPにアクセスしたいものの、セキュリティやコストを考慮すると導入に踏み切れずにいる企業が多いのではないだろうか」と分析する。