モダナイゼーションを成功に導くためには、リスクを軽減しながら、かつコストを抑えたマイグレーションを実施しなければならない。それには考慮すべき8つのポイントが存在する。前回は、アプリケーション資産の棚卸しについて紹介した。今回は、8つのポイントの中で、リスク軽減に最も有効な「移行性調査」について考えてみる。
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マイグレーションにおいて、現行のビジネスプロセスを再利用するためには、再利用できない部分(基本ソフトウェア(OS)やミドルウェアの変更に伴って生じる非互換機能)を正確に把握する必要がある。非互換機能を十分に把握できていなければ、最終的なテストにおいて予想外の結果を招くことになるためだ。
この非互換機能を洗い出すためのプロセスが、移行性調査である(図1)。移行性調査は、マイグレーションのリスクを軽減するための重要なポイントになる。
非互換機能の調査対象は7つのカテゴリー
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非互換機能の調査は、以下の7つのカテゴリーが対象になる(図2)。
調査カテゴリー1=開発言語
開発言語については、その構文に焦点を絞って分析する。アプリケーションのソースコードは大量なため、「第2回:マイグレーションの開発方法論」でも指摘したように、まずは構文の同一性に着目し、同一構文をパターン化する。このパターンに対し、互換/非互換を判定する。JCL(Job Control Language:ジョブ制御言語)なども同じ手法で分析可能である。
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