大手コンビニエンスストア(CVS)チェーンのファミリーマートは先ごろ、以前より推進するワークスタイル変革の一環で、スマートデバイスによる業務システム/アプリケーションへのアクセス環境を整えた。システムを構築した伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が2015年6月29日に発表した。
現在、ファミリーマートは2015年に掲げた戦略テーマ「Fun&Fresh」の下、新しい生活スタイルを創造する「次世代CVS」の実現に取り組んでいる。同社は、その実現にあたっては、店舗開拓の担当者や店舗運営をサポートするスーパーバイザーのワークスタイル変革が重要であるとし、タブレットをはじめとするスマートデバイスの業務利用を推し進めてきた。
これまでの取り組みとして、同社は、BYOD(Bring Your Own Device:私物デバイスの業務利用)の採用や、新規店舗を開拓する担当者へのタブレットの貸与、ファイル共有サービスの導入といった施策を展開。スーパーバイザーをはじめとする社員が社外からもメールやスケジュールを使いこなせるようにしたり、迅速安全なファイル共有を実現したりするなど、業務効率化と共に、社員の業務における利便性・安全性の向上を図ってきた。
このような取り組みの延長で、今回、ファミリーマートは、スーパーバイザーと新規店舗開拓担当者の約2000名が、従来のメールやスケジュールに加えて、タブレットから社内の業務システム/アプリケーションをセキュアに利用できる環境を整備。業務マニュアルの閲覧をはじめ、データの分析や勤怠管理などを外出先で行うことを可能にした。
この仕組みを実現したのは、プライベートクラウド上に構築されたクライアント仮想化システムだ。CTCのプライベートクラウドサービス「TechnoCUVIC VP」を基盤に、ヴイエムウェアのクライアント仮想化ソフトウェア「VMware Horizon 6」を導入し、各担当者のスマートデバイスやPCから同一のデスクトップ環境へのアクセスを可能にした。
ファミリーマートのプロジェクトは、CTCがVDIの構築・運用サービスでのノウハウを投入し、半年間で本番稼働開始にこぎつけている。将来的には、今回構築したVMware Horizon 6ベースのシステムを拡張して、VDI(デスクトップ仮想化基盤)を実現する計画があるという。
【プロジェクトの概要】 | |
ユーザー名 | ファミリーマート |
事業内容 | 小売(コンビニエンスストアチェーン) |
導入システム | タブレット、クライアント仮想化、プライベートクラウド |
導入目的 | ワークスタイル変革、業務効率化、社員の業務における利便性・安全性の向上 |
主な利用製品 | CTC「TechnoCUVIC VP」、ヴイエムウェア「VMware Horizon 6」 |